児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

久木元伸「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律」警察学論集59-7

 窃盗と公務執行妨害の罰金刑の創設は、体刑求刑事件を緩和する方向で設けられたのではないとのことです。言われなくてもわかりますけど。

2 刑法第95条
なお、これまで公務執行妨害罪により起訴された事案というのは、検察官において、暴行・脅迫の程度や、これによって生じた公務の妨害の程度、その他諸般の事情を十分に考慮した上で、懲役刑又は禁錮刑をもって対応するのが相当であるとの判断に至り、公判請求をしてきたものと考えられるところ、今回の改正は、懲役刑又は禁錮刑を求めて起訴すべきか否かの判断に困難を伴うような事案に対する適正な処分・科刑を実現するため、その刑の選択の幅を拡大しようとするものであって、これまで個別の事案について検察官が懲役刑又は禁鋼刑を相当と判断したこと自体に影響を与えたり、これを変更することを意図するものではない。

4 刑法第235条
(1)趣旨
このような類型の事案については、公務執行妨害罪等と同様に、起訴すべきか否かの判断に困難を伴うことも少なくないことから、窃盗罪についても選択刑として罰金刑を新設し、刑の選択の幅を拡大することとしたものである21)。
なお、公務執行妨害罪等について述べたのと同様、窃盗罪における罰金刑の新設も、これまで個別の事案について検察官が懲役刑相当と判断したこと自体に影響を与えることを意図するものではない。(22)平成18年4月6日参議院法務委員会における刑事局長答弁)