児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

テレビ会議ソフトのビデオ通話機能により被告人が視聴できる状態で、性器を露出させる姿態をとらせた行為は「わいせつ」行為に当たらないという主張

 これは4つ強要被告事件の高裁判例を4つ並べておけば十分。
 地裁レベルでも、自慰行為させ+送信させでないとわいせつ行為と評価されていない。
①広島高裁岡山支部H22.12.15*72 69
②東京高裁H27.12.22 69
③大阪高裁r2.10.2*73(奈良地裁葛城支部R02.3.30*74) 71
④大阪高裁R2.10.27*75(奈良地裁葛城支部R2.2.27) 71

テレビ会議ソフトのビデオ通話機能により被告人が視聴できる状態で、性器を露出させる姿態をとらせた行為は「わいせつ」行為に当たらない 40
1 はじめに 40
2 「被告人の使用するパーソナルコンピュータのアプリケーションソフト「」のビデオ通話機能により被告人が視聴できる状態で、」行われた点について 41
(1)ビデオ通話機能により被告人が視聴できる状態」でというのは、被告人が被害者をして画像を撮影送信させたものであること 41
(2) 馬渡解説・薄井論文によってもを用いて送信させる行為はわいせつ行為ではない。 47
(3) 高検速報のアドバイスでも、せいぜい「撮影させ」がわいせつとされていて「送信させ」ることはわいせつ行為とはされていないのに、原審の検察官は高検速報のアドバイスに従っていないこと 49
(4)1審判決 52
(5)高裁判例 52
広島高裁岡山支部H22.12.15*55(岡山地裁H22.8.13*56) 52
東京高裁H27.12.22*57(新潟地裁高田支部H27.8.25*58) 52
3 「(オンラインで)性器を露出させる姿態をとらせ」行われた点について 54
(1)学説 54
大竹依里子 研修の現場から オンラインで,児童を裸にさせ,動画撮影させた行為について,強制わいせつ罪で処理した事例 54
橋爪隆 非接触型のわいせつ行為について 54
(2)裁判例では、送信させた場合は、自慰行為・性器接触させている場合をわいせつとしている 54
長崎地裁R1.9.17*59 54
岡山地裁H29.7.25*60 54
大分地裁h23.5.11*61 55
横浜地裁h28.11.10*62 55
高松地裁H28.6.2*63 55
松山地裁西条支部H29.1.16*64 55
高松地裁丸亀支部r2.9.18*65 55
熊本地裁r3.1.13*66 55
札幌地裁小樽支部R4.3.2*67 55
東京地裁R4.3.10*68 55
東京地裁r4.8.19*69 55
津地裁r5.3.1*70 55
松山地裁西条支部R5.8.31*71 55
(3)検察官の論稿 55
熊本地裁r3.1.13 56
4 小括~ビデオ通話機能により被告人が視聴できる状態で、性器を露出させる姿態をとらせた点について(総合的評価) 58
5 学説・裁判例 59
佐藤陽子 自己のわいせつな画像を撮影(・送信)させる行為の「わいせつな行為」性について 山口厚ら「実務と理論の架橋」 59
津地裁R5.3.1 61
6 原判決の問題点 64
1審判決 64
原判決 65
※裸体を送信させる行為はわいせつ行為ではないという高裁判例。 68
①広島高裁岡山支部H22.12.15*72 69
②東京高裁H27.12.22 69
③大阪高裁r2.10.2*73(奈良地裁葛城支部R02.3.30*74) 71
④大阪高裁R2.10.27*75(奈良地裁葛城支部R2.2.27) 71
※ 高裁レベルでは、送信させた行為をわいせつと評価した判決はないこと 72
①大阪高裁r03.7.14*76(京都地裁R3.2.3*77) 72
②大阪高裁r04.1.20*78 (京都地裁r03.7.28*79) 73
③札幌高裁r5.1.19*80(札幌地裁R04.9.14*81 ) 73
広島高裁岡山支部H22.12.15*82(岡山地裁H22.8.13) 73
東京高裁H27.12.22*83(新潟地裁高田支部H27.8.25) 73