条例の3条13号の「客の性的好奇心をそそるおそれのあるもの」かが問題になって、条例施行規則のjkクラブの解説に
「性的好奇心をそそるおそれ」については、条例第3条第12号関係 を 参照すること。例えば、いわゆる海の家においては、水着姿でいることが自然である場合もあることから、当該場所における水着の着用は、客の性的好奇心をそそるおそれがある衣服と言い難いため、本営業は該当しないこととなる。
と解説されている。12号参照というのだから、店舗型・無店舗型有害役務営業の場合も同様。客の性的好奇心をそそるおそれがある衣服と言い難い
埼玉県青少年健全育成条例の解説(R3.3)
(定義)
第3条
この条例において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 青少年 18 歳未満の者(婚姻により成年に達したものとみなされる者を除く。)をいう。
(12) 店舗型有害役務営業 店舗を設けて役務を提供する営業で、客の性的好奇心をそそるおそれのあるもののうち、次に掲げるもの(風適法第2条第1項に規定する風俗営業、同条第6項に規定する店舗型性風俗特殊営業及び同条第11項に規定する特定遊興飲食店営業に該当するものを除く。)をいう。
イ 専ら異性の客に接触し、又は接触させる役務を提供する営業
ロ 専ら客に異性の姿態を見せる役務を提供する営業
(13) 無店舗型有害役務営業 人を派遣して役務を提供する営業で、客の性的好奇心をそそるおそれのあるもののうち、前号イからハまでに掲げるもの(風適法第2条第7項に規定する無店舗型性風俗特殊営業に該当するものを除く。)をいう。ニ 客に飲食をさせる営業で、客に接する業務に従事する者が専ら異性の客に接するもののうち、次のいずれかに該当するもの
(1) 客に接する業務に従事する者が性的好奇心をそそるおそれがある衣服として規則で定めるものを着用するもの
(2)青少年が客に接する業務に従事していることを連想させる衣服として規則で定めるものを客に接する業務に従事する者が着用するもの
(3)青少年が客に接する業務に従事していることを明示し、又は連想させる文字、数字その他の記号、映像、写真又は絵として規則で定めるものを当該営業を行う場所の名称又は広告若しくは宣伝に用いるもの解説
(3) 「性的好奇心をそそるおそれ」とは、客の性的な感情を著しく刺激するおそれのあるものと社会通念上認められるものをいう。
(5)第12号ロに掲げる営業
「専ら客に異性の姿態を見せる役務を提供する営業」とは、客に対して異性である者の姿を見せたり、撮影させたりすることが役務のほとんどであることをいう。いわゆる店舗型の「見学」、「撮影」及び「作業所」を想定している。
したがって、営業者において客に接する業務に従事する者が客に接触したりすることを容認している場合は、当該接触する役務提供の度合いにもよるが第12号イの営業に該当し得る場合もある。
「姿態を見せる」とは、客に接する業務に従事する者が客に自己の姿を見せる又は撮影させること(マジックミラー等を通して見せるものを含む。)をいう。参考
条例施行規則(性的好奇心をそそるおそれがある衣服等)
第1条第1項
埼玉県青少年健全育成条例(昭和 58 年埼玉県条例第 28 号。以下「条例」という。)第3条第12号ニ(1)に規定する規則で定める衣服は、水着又は下着とする。
イ 「水着」とは、水泳や海水浴などをするときに着ける衣服であって社会通念上「水着」と認められるものをいい、いわゆるビキニ型、ワンピース型の形式は問わない。
ウ 「性的好奇心をそそるおそれ」については、条例第3条第12号関係 を 参照すること。例えば、いわゆる海の家においては、水着姿でいることが自然である場合もあることから、当該場所における水着の着用は、客の性的好奇心をそそるおそれがある衣服と言い難いため、本営業は該当しないこととなる。
エ 「下着」とは、上着の下に着る衣服で、特に、直接肌に着ける衣類をいい、かつ通常公共の場 所でそれのみを見せることのないものをいう。ショーツ、ブラジャー、パンティストッキングなどであり、靴下は含まない。
この記事の弁護士も「条例の趣旨にも反する恐れ」としているだけで、条例違反は指摘できていない。
https://mainichi.jp/articles/20230611/k00/00m/040/003000c
未成年モデルの参加、県条例に抵触する可能性も
「(会場予定の公園は)住民の福祉増進のために設置された公の施設です。県営公園で過去に開催された撮影会の写真を確認しましたが、場所の性質から、ふさわしくありません」太田さんはそう話し、そもそも利用を許可した協会側の判断が「誤り」との見方を示した。
とりわけ問題視するのが、こうした撮影会に未成年の少女が参加してきたとみられることだ。SNS上では、中学生や高校生と名乗る少女がモデルとなり、多くの成人男性らに撮影されている様子が確認できる。
「性的な姿態を撮影されることは人間の尊厳に関わることです。子どもの人権保障の観点から非常に問題があります」と太田さんは指摘する。
青少年の健全な成長を阻害するおそれのある行為を規制する「埼玉県青少年健全育成条例」の趣旨にも反する恐れがあるという。
「条例の趣旨からすれば、このような撮影会への未成年者の出演も規制できるよう、実態を踏まえて改正の検討が必要ではないでしょうか。中高生の女の子が見ず知らずの人からカメラを向けられ、その写真がどう扱われるのか自分ではコントロールできず、一生インターネットに残るかもしれない。性的な姿態を撮影する撮影会に未成年者を出演させるのは、会場が民間であろうとアウトだと私は思います」
追記2023/06/26
画像がないと「児童ポルノ」かどうかは判断できません。
児童ポルノであれば製造罪等で処罰されるでしょうが、水着はちゃんと着ていれば「衣服の全部を着けた児童の姿態」。
「衣服の全部を着けた児童の姿態」であれば、「殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの」であっても児童ポルノにはなりません。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/258618
東京、千葉は厳しいから埼玉で!? 5年間で120回 県営プールでの「水着撮影会」騒動で考える、表現の自由と児童ポルノ
2023年6月24日 12時00分
「子どもを性的搾取から守る動きが必要」
そもそも14歳の少女がビキニで大きく開脚したり、Tバックの尻を突き出したりするのは児童ポルノ禁止法に触れないのか。
性犯罪規定に詳しい寺町東子弁護士は「水着撮影会の写真が処罰対象かどうかは個々の判断だが、子どもは自分が性的に消費されることを理解するのが困難。公的施設で未成年の出演に一定の規制をするのは、行政の裁量の範囲内だ」と話す。ジェンダー問題に詳しい太田啓子弁護士も「着衣でも児童の性的な部位が強調されれば、抵触の可能性はある。性的搾取から子どもを守る県青少年保護育成条例などをふまえ、県は子どもの性的尊厳を守るために動いてほしい」と話す。
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(H26改正後)
第二条(定義)
3この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
一 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
着エロの裁判例
東京高裁平成22年3月23日
(罪となるべき事実)
被告人は,と共謀の上,不特定又は多数の者に提供する目的で,平成年月14日から同月16日までの間,クラブ等において,が18歳に満たない児童であることを知りながら,同児童に極小の水着を着用させてはいるものの,その一部を陰部に食い込ませるなどして性器の周辺を露わにさせ,あるいは,腎部を露わにするようにずり下げるなど,社会通念上衣服の一部を着用していない状態で,殊更に性器や脊部等を強調した姿態をとらせて,これをデジタルビデオカメラで撮影し,その姿態を視覚により認識することができる電磁的記録媒体であるデジタルビデオカセットテープ8本(以下「本件テープ」という。)に記録して描写し,もって,衣服の一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノを製造した。