児童ポルノ罪の認定というのは、
各被写体について
児童性
実在性
3号の要件(露出部位など)
が検討されるので、「数名」という認定はありえません。3人分児童ポルノ要件が揃えば「3人」、4人分揃えば「4人」と認定すべきです。
D1LAWから
静岡地方裁判所令和04年10月06日
上記の者に対する児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件について、当裁判所は、検察官風間康宏及び国選弁護人藤江基勝各出席の上審理し、次のとおり判決する。主文
理由
(罪となるべき事実)
第1(令和4年(わ)第177号・同年6月3日付け起訴分)
被告人は、令和元年9月5日午後8時59分頃から同日午後9時12分頃までの間、別紙記載の女性用浴場(以下「本件浴場」という。)東側滑り出し窓付近において、本件浴場で入浴中の別紙記載〈1〉の中学校生徒数名(当時13歳又は14歳)が、いずれも18歳に満たない児童であることを知りながら、ひそかに、前記滑り出し窓からビデオカメラで同児童らの胸部等が露出した全裸の姿態を動画撮影し、その電磁的記録である動画データ8点を同ビデオカメラに装着したSDカードに記録させて保存し、もってひそかに衣服の全部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写することにより、児童ポルノを製造した。
第2(令和4年(わ)第153号・同年5月17日付け起訴分)
被告人は、令和3年11月17日午後7時54分頃、別紙記載の宿泊施設(以下「本件施設」という。)北西側高窓付近において、本件施設脱衣所で着替え中の別紙記載〈2〉の中学校生徒数名(当時14歳又は15歳)が、いずれも18歳に満たない児童であることを知りながら、ひそかに、前記高窓から携帯電話機を差し向けて同児童らの胸部等が露出した全裸の姿態を動画撮影し、その電磁的記録である動画データ1点を同携帯電話機の内蔵記憶装置に記録させて保存し、もってひそかに衣服の全部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写することにより、児童ポルノを製造した。
(証拠の標目)
以下、括弧内の番号は証拠等関係カードの検察官請求番号を示す。
事実全部について
・ 被告人の公判供述
第1の事実について
・ 被告人の警察官調書(乙8)
・ 捜索差押調書謄本(甲13)並びに捜査報告書(甲16、17、20、21)、同謄本(甲19)及び同抄本(甲12、14、18)
第2の事実について
・ 被告人の警察官調書抄本(乙4)
・ 捜査報告書(甲1、9)及び同抄本(甲2、3、7、8、10。ただし、甲2の不同意部分を除く。)
(法令の適用)
1 主刑
(1) 構成要件及び法定刑を示す規定
被告人の前記各行為は、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条5項、2項、2条3項3号(なお、第1の行為は包括して)に、それぞれ該当する。
(2) 刑種の選択
後記の量刑の理由により、前記の各罪についていずれも懲役刑を選択する。
(3) 併合罪の処理
刑法45条前段の併合罪であるから、刑法47条本文、10条により犯情の重い前記第1の罪の刑に法定の加重をする。
(4) 宣告刑の決定
後記の量刑の理由により以上の刑期の範囲内で被告人を懲役2年に処する。
2 刑の執行猶予
後記の量刑の理由により刑法25条1項を適用してこの裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。
3 訴訟費用の負担
訴訟費用は、刑事訴訟法181条1項本文により被告人に負担させる。
(量刑の理由)(検察官の求刑意見 懲役2年)
(弁護人の量刑意見 刑の執行猶予)
刑事第1部
(裁判官 國井恒志)
別紙
本件浴場:●●●
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本件施設:●●●
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〈1〉●●●
〈2〉●●●