児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

検察官が「証拠に基づかない弁論だ」と文句付けた「大法廷h29.11.29を受けて青少年条例の「わいせつ」の定義も再定義が必要だという主張」

 判例を立証しろ言われましてもね。

 青少年の健全育成という保護法益からみても、行為者の性的意図は不要だと思うので、従前の定義(刑法176からの借用)では通用しないと思うんですよ。

 


 本件条例は
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としており、「淫行」については、判例最判S60.10.23)により「青少年を誘惑し、威迫し、欺罔しまたは困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交または性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような性交または性交類似行為をいうものと解すべきである。」と合憲限定解釈がなされているのであるから、「わいせつな行為」についても同様の限定解釈が必要である
 条例の「わいせつ行為」の定義に関する判例を見ると、判例も刑法176条と同義と考えているようである。
 しかし、いずれも最判S60.10.23以前のものであって、限定解釈を加えていない点で相当でない。
 また、最判S60.10.23のように条例の「淫行」に性交類似行為を含めるとすれば、条例の「わいせつな行為」からは性交類似行為を除外する必要があるから、刑法とは別に定義する必要がある。

①東京高裁s39.4.22
昭和39年 4月22日 東京高裁 昭38(う)2587号
裁判区分 判決  文献番号 1964WLJPCA04220007
◆埼玉県青少年愛護条例一〇条一項の合憲性(合憲)◆同条例にいう「みだらな性行為又はわいせつな行為」の意義.
出典  高検速報 1182号

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②大阪高裁s48.12.20

 

 

 

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高松地裁S43.5.6

 

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最高裁判例解説
 高橋判事は最判S60.10.23の判例解説で、「わいせつな行為」についても判決の影響があるとされているが、最判の事例は性行為の事案であるから、「わいせつ行為」についての解釈は変更されていない。再定義が必要である。
最高裁判所判例解説
刑事篇昭和60年度201頁
最高裁判所大法廷判決昭和57年(あ)第621号
福岡県青少年保護育成条例違反被告事件
昭和60年10月23日高橋省吾

 

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