児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

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部活が解散したのは午後十一時半を回っていた場合と深夜外出の制限

「青少年の不良化と深夜外出は密接な関係がある。また、女子の深夜外出は不良化だけでなく、暴行等の被害者となる危険も高い。そのため、通勤、通学、その他正当な理由がある場合でも、深夜の外出は注意が必要である。」という趣旨からすれば、学校行事がずれ込んだのであれば正当性があると主張すればいいでしょう。

静岡県青少年のための良好な環境整備に関する条例の解説h21
(深夜外出の制限等)
第16条
1保護者は、その監護する青少年を深夜(午後11時から翌日の午前4時までの時間をいう。以下同じ。)に外出させないように努めなければならない。ただし、通勤、通学その他正当な理由がある場合は、この限りでない。
2 何人も、保護者の委託を受けず、文はその承諾を得ないで、深夜に青少年を同行して外出してはならない。ただし、正当な理由がある場合は、この限りでない。
[要旨]
本条は、青少年の深夜外出を制限し、深夜興行場への入場を禁止することにより、青少年を悪の誘惑や被害から守るとともに、規則正しい生活による青少年の心身の健全な発育を促そうとするものである。
[解説]
1 第1項関係
(1) 本条例において「深夜」の時間帯の始期を午後11時としたのは、風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律や労働基準法児童福祉法等において、18歳未満の者に対する夜間の制限に係る規定が午後10時となっていること、また定時制高等学校等の終業時間等が午後9時前後となっていること、あわせて帰宅までの時間を考慮、し、午後11時としたものである。
また、終期を午前4時としたのは、新聞配達等の勤労青少年の終業等を考慮、したものである。
(2) 「深夜に外出」とは、深夜に住所や居所以外にある場合を指し、街路の通行、はいかいはもとより、旅館の宿泊、キャンプ等も含む。
(3) 青少年の不良化と深夜外出は密接な関係、がある。また、女子の深夜外出は不良化だけでなく、暴行等の被害者となる危険も高い。そのため、通勤、通学、その他正当な理由がある場合でも、深夜の外出は注意が必要である。
(4) 慣習として行う祭り、盆踊り、花火大会、納涼大会等について、午後11時過ぎでも行われるものもあるが、原則として本条の趣旨に則し、極力深夜にわたらないようにしなければならない。
また、行事自体が深夜に及ぶ場合は、午後11時過ぎの青少年の参加については条例を遵守しなければならない。
(5) 「その他正当な理由がある場合」とは、学校や青少年団体で行うキャンプや、修学旅行の宿泊等、教育的理由のある場合や、保護者の不在中火災又は盗難等の通報のため、又は保護者が急病のため医師に急報する等で緊急事態の発生に際し、保護者の委託又は承諾を得ることができない場合をいう。
これらの理由を鑑み、保護者が遊興のため青少年を連れ出すことは、「正当な理由」とは解されない。
(6) 保護者に青少年の深夜外出を制限するよう義務付けた規定で、違反しでも罰則はないが、保護者として青少年が不良化することのないよう、又、犯罪被害にあわないようにする責務を負っているものと考えられる。
2 第2項関係
(1) 本項は、不良等が青少年を伴って深夜はいかいしたり、又青少年をそそのかして悪事を働かせたりすることを防ぐ趣旨である。
(2) 本項における「正当な理由がある場合とは、本条第1項の「その他正当な理由がある場合」 と同様の理由をいう。

http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/tokai-news/CK2018092102000094.html
中学生が深夜まで部活 静岡市教委が厳重注意
吹奏楽大会から帰校後
 静岡市立中学校の吹奏楽部が吹奏楽コンクールに出場した後、午後十一時半すぎまで部活動をしたとして、市教委が同校を厳重注意していたことが分かった。児童や生徒が午後十一時以降に外出することを認めない県の条例違反に当たるという。主催する県吹奏楽連盟には、大会の終了時間を早めるなど運営の見直しを申し入れた。

 市教委によると、大会は八月十一日に浜松市内で開かれた「県吹奏楽コンクール」で県吹奏楽連盟と朝日新聞社の共催。県内の二十五校が出場した。大会は予定より四十五分遅れて午後七時半に終了し、会場から遠い県東部の学校から随時帰宅させた。

 静岡市の中学校の生徒七十五人を乗せたバス二台が学校に到着したのは午後十時半。片付けや最後の大会となった三年生をねぎらう反省会などをしたため、解散したのは午後十一時半を回っていたという。

 「県青少年のための良好な環境整備に関する条例」は、正当な理由なく、午後十一時から午前四時まで青少年を外出させないよう定めている。

 八月下旬、市のホームページに匿名で条例違反の可能性を指摘する書き込みがあり、市教委が調べた。市教委は直ちに「中学校の部活として明らかに行き過ぎている」として、学校側を厳重注意。部活動のあり方を見直すとともに、保護者に謝罪するよう指導した。

 大会運営の見直しを求められた県吹奏楽連盟の山崎泰之会長は本紙の取材に、「今後は表彰式の取りやめや、日程を二日間に分けるなどして改善を検討したい」と語った。