最初の1人を逮捕すれば威嚇効果が出るんでしょうが、こういう条文ですのでなかなかないと思われます。大阪・山口と同じ検挙状況になります。後発県なのに、なんで淫行特区を目指したのか。
児童買春罪の被害児童は、条例施行前から児童ポルノ・児童買春法で保護されている「はず」なので、条例では変わらないはずですよね。
https://www.pref.nagano.lg.jp/jisedai/kyoiku/kodomo/shisaku/documents/20160707shi1jorei.pdf
(威迫等による性行為等の禁止)
第17条 何人も、子どもに対し、威迫し、欺き若しくは困惑させ、又はその困惑に乗じて、性行為又はわいせつな行為を行ってはならない。
2 何人も、子どもに対し、威迫し、欺き若しくは困惑させ、又はその困惑に乗じてわいせつな行為を行わせてはならない。
3 何人も、子どもに対し、自己の性的好奇心を満たす目的で、性行為又はわいせつな行為を見せ、又は教えてはならない。
(深夜外出の制限)
第18条
2 何人も、保護者の委託を受け、又は同意を得た場合その他の正当な理由がある場合を
除き、深夜に子どもを連れ出し、同伴し、又は子どもの意に反しとどめてはならない。
[記者ノート2016]性被害条例 犯罪抑止に=長野
2016.12.26 読売新聞
「罪になると思ったが、私好みの女の子だったので、チャンスを逃したくないと思った」。11月7日、長野地裁で開かれた公判。長野市内のホテルで少女に現金1万円を渡してみだらな行為をしたとして、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(児童買春)の罪に問われた男は、犯行に及んだ理由をこう証言した。男は「ストレスを解消するため児童買春に手を出した」とも語った。警察庁のまとめでは、出会い系サイトなどを通じて、性犯罪被害に遭った少女らは2015年、全国で1652人に上り、統計を始めた08年以降で最多となった。
そんな中、今年7月に県の「子どもを性被害から守るための条例」が県議会で成立し、11月には全面施行された。全国の都道府県で唯一、いわゆる「淫行条例」がない状態が解消された。
県警によると、淫行条例がないために県警が検挙できなかったとするケースは、13〜14年の2年間で17件に上る。刑法の強制わいせつや強姦(ごうかん)罪を問うには、暴行や脅迫といった要件が必要で、少女の未熟さにつけ込んだ大人の性犯罪を罰することができなかった。県内の児童買春容疑での検挙者も15年中は20人と、児童買春・児童ポルノ禁止法が施行された1999年以来、最多だった。
子供の頃に性的被害を受け、大人になっても心的外傷後ストレス障害(PTSD)などに悩まされている人は多い。記者が今春、取材した県内の少女(当時16歳)もその一人だ。
少女は中学3年の卒業間際、児童買春の被害に遭った。「犯人が逮捕されるまで不安だった」と語る少女のこわばった顔が今でも忘れられない。県性被害条例の成立後、改めて少女に話を聞くと「条例の施行で、私のような苦しい思いをする人が一人でも減ってもらいたい」と心情を吐露した。
県警のまとめでは、児童買春容疑での県内検挙者は、16年は11月末時点で13人に減少している。
県性被害条例による抑止効果については、今後検証する必要があるだろうが、子供の性被害の対応に取り組むNPO法人「CAPながの」(長野市)の矢島宏美代表(52)は「性的欲求があったとしても、罰則が付いた条例があることで犯罪を抑える心理が働く」と指摘している。
阿部知事は、同条例を可決した6月の県議会本会議で、「性犯罪は魂の殺人」と語った。条例が被害者や子供たちの安心につながれば、何よりも大きな成果のように思える。(伊賀幸太)
写真=条例を周知するためのパンフレットを配る県職員ら(11月、JR長野駅前で)