児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

弁護士に相談後逮捕されて、あとから考えると、相談を受けたときに自首を検討してもらった方がよかったと思う事案

 時々あって、最近も逮捕されて報道されました。

1/1 東北地方・児童買春行為1回
2/1 弁護士に相談(電話・メール)
   警察に発覚した場合の流れ
   量刑予想
   選択肢は何もしないor自首 の二者択一。
   自首のメリット・デメリット
   弁護士費用の見積もり
を回答
 相談者判断で「多分発覚しないので、弁護士費用も罰金も要らないと思う」「発覚しても懇意の代議士先生に頼めば逮捕は勘弁してくれる」という結論で相談終了。

(4/初旬 児童が補導された)
6/1 逮捕・報道・地元の弁護士選任・勾留
6/5 被疑者の依頼で、2/1の回答を弁護人に提供。
  弁護人の方針で被害弁償数十万。
6/22 略式命令罰金50万円 釈放
6/30 懲戒解雇

 地元の弁護士に2月に自首を考えたことを証明してもらったり、被害弁償してもらったりしても、結果は罰金額でも身柄拘束期間の点でも変わらなかった。
 その地元弁護士の報酬の当否について、「弁護活動しても結果が変わらなかったのに報酬払うべきか?」とまたこっちに相談が来た。
 大体、事態を軽視していて、弁護士頼むタイミングが悪い。
 これは2月に自首していれば、10月頃に在宅で罰金になって、勤務先にはバレなかっただろう。

1/1 東北地方・児童買春行為1回
2/1 弁護士に相談(電話・メール)
   警察に発覚した場合の流れ
   量刑予想
   自首のメリット・デメリット
   弁護士費用の見積もり
を回答

2/10 自首の方針で弁護人選任
2/20 自首
3/初旬 児童補導
在宅での取調数回(延べ10時間程度)
10/1 略式命令罰金30〜50万円

 自首は自発性が大事なので、一応提案はしますが、本人が言い出すまで弁護士は黙ってます。この事例だと、結果的には、もっと勧めても良かったかもしれないです。
 かかった弁護士費用は奥村の見積もりの方が、日当・交通費の分だけ高かったです。