児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

地位利用型強制わいせつ罪・否認事件→懲役1年6月の実刑となった事件(神戸地裁H24.6.27)

 否認すると、無罪になる可能性もありますが、不合理弁解・反省なし・慰謝の措置もとれない・被害者に公判証言を余儀なくさせた、として重い量刑になるリスクもあります。
 行為態様によっては、否認しても執行猶予の場合もありますが、性犯罪の量刑理由としては、地位利用型は重いので、実刑になる可能性が高くなります。
 やってない・承諾があったと言う場合には、公判で否認するという選択になるのでしょうが、否認する場合には、そこまで考慮にいれる必要があって、やっぱり、量刑を把握しておかないと決められないと思います。調べて情報を提供することが弁護人の仕事だと思います。

http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20120628ddlk28040342000c.html
神戸の強制わいせつ:元県職員に実刑−−地裁判決 /兵庫
毎日新聞 2012年06月28日 地方版
 知人女性にわいせつな行為をしたとして、強制わいせつの罪に問われた被告(60)の判決公判が27日、神戸地裁で開かれ、三上潤裁判官は「卑劣な犯行で、実刑はやむを得ない」として、懲役1年6月(求刑・懲役2年)を言い渡した。
 判決によると、10年12月26日、かつて部下だった女性の自宅で、女性を押し倒してわいせつな行為をしたとしている。
 公判で弁護側は「同意があった」などと無罪を主張。三上裁判官は、被害者が知人に相談したメールなどから、被告が事件前から強引に家に来ようとしていたことなどを認め、「被告の供述は信用できない」として退けた。

奥村の手持ちの資料では

強制わいせつ1罪・自白+否認事件の科刑状況
実刑424件
執行猶予1120件

強制わいせつ1罪・否認事件の科刑状況
実刑64件
執行猶予74件

となっています
 自白事件否認事件を合わせた実刑率は約27%です
 否認事件の実刑率は約46%です。