児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

薬事法違反被告事件の罪となるべき事実

東京地裁平成23年 3月 3日 
事件名 処分取消請求事件
 (2) 原告の刑事事件
   ア 岡山地方裁判所は,平成16年12月1日,おおむね以下の罪となるべき事実(以下「本件刑事事件」という。)を認定した上,原告を薬事法違反の罪により懲役1年6月及び罰金50万円に処し,4年間その懲役の執行を猶予する旨の判決(以下「刑事第1審判決」という。)の宣告をした。(乙2)
 (罪となるべき事実)
 原告は,a大学医学部助教授で抗がん剤の研究をしているもの,Cは,医薬品等の開発研究,輸出入及び販売等を目的とする株式会社b社の代表取締役でその業務全般を統括管理しているものであるところ,原告は,C及び中華人民共和国内にある大連医科大学・某研究所所長Dらと相談の上,日本の製造会社に医薬品を製造させることを計画していたものであるが,
 第1 Cと共謀の上,株式会社b社の業務に関し,厚生大臣(当時。以下同じ。)から医薬品の製造業の許可を受けないで,業として,平成10年5月22日ころから平成11年6月28日ころまでの間,3回にわたり,静岡県富士市所在の株式会社の工場において,情を知らない同社従業員らをして,抗がん剤「○○」と称する医薬品である牛の肝臓から抽出した脂質を原料としたカプセル11万8530錠を製造させ,もって,業として医薬品を製造し,
 第2 Cと共謀の上,岡山県知事から薬局開設者又は医薬品の販売業の許可を受けず,かつ,法定の除外事由がないのに,業として,平成10年5月23日ころから平成13年2月6日ころまでの間,39回にわたり,岡山市内など13か所において,11名に対し,前記「○○」と称する医薬品であるカプセル錠剤9780錠を代金合計309万2800円で販売し,もって,業として医薬品を販売し,
 第3 Cと共謀の上,平成11年3月14日ころから平成13年5月14日ころまでの間,名古屋市熱田区所在のE方3階事務所に設置のウェブサーバハードディスク内に,厚生大臣(平成13年1月6日以降は厚生労働大臣)の製造についての承認を受けていない医薬品である前記「○○」について,その名称,効能,効果,使用方法及び価格等に関し,「抗癌・制癌剤『○○』副作用のない広域的癌予防,癌抑制物質として注目される新開発の漢方薬です。抗癌治療・抗腫瘍活性に顕著な効果が報告されています。」,「250ミリグラムソフトカプセル錠空腹時1回2錠,1日3回服用を目安。」,「1か月分180錠8万円,2か月分360錠16万円(平成11年11月15日以降,1か月分180錠6万3000円,2か月分360錠12万6000円に変更)。」,「(株)b社が日本への個人輸入代行手続を代行している。」などと記載したデータファイルを記憶,蔵置させ,一般電話回線等を使用して不特定多数の者に閲覧可能な状態にし,もって,広告をし
 たものである。
   イ 原告は,刑事第1審判決を不服として,広島高等裁判所岡山支部控訴したが,同裁判所は,平成18年1月18日,控訴を棄却する旨の判決(以下「刑事控訴審判決」という。)の宣告をした。(乙3)
   ウ 原告は,刑事控訴審判決を不服として,最高裁判所に上告したが,同裁判所は,平成19年6月28日,上告を棄却する旨の決定(以下「刑事上告審決定」といい,刑事1審判決及び刑事控訴審判決と併せて「本件刑事判決」という。)をした。(乙4)
   エ 原告は,刑事上告審決定に対し,最高裁判所に異議の申立てをしたが,同裁判所は,平成19年7月10日,上記の申立ては,刑事訴訟法414条,386条2項,385条2項,422条に定める期間の経過後にされた不適法なものであるとして,上記の申立てを棄却する決定(以下「刑事異議申立棄却決定」という。)をし,本件刑事判決は確定した。(乙5)