児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童・青少年に自慰行為を見せる行為の擬律

 「オナ見」とかいうそうです。
 わいせつ行為(刑法176条)とか「わいせつな行為を見せる行為」ないし「わいせつな行為」(青少年条例)にあたると思います。
 エッチなチャットやメールも該当する可能性があります。

奈良県青少年の健全育成に関する条例の解説h15
(みだらな性行為及びわいせつな行為の禁止)
第34条 何人も、青少年に対しみだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
2 何人も、青少年に対し前項の行為を教え、又は見せてはならない。
【要 旨】
 本条は、心身ともに発達途上にある青少年に対し、みだらな性行為及びわいせつな行為をし、又はこれらの行為を教えたり見せたりすることを禁止し、青少年の健全な育成を図ろうとするものである。
【解 説】
1 「みだらな性行為」とは、昭和60年10月23日最高裁判決にいう「淫行」すなわち「(広く青 少年に対する性行為一般をいうものと解すべきではなく、)青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し 又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほ か、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められな いような性交又は性交類似行為」と同様である。
2 「わいせつな行為」とは、いたずらに性欲を刺激興奮せしめたり、その露骨な表現によって 健全な常識のある一般社会人に対し、性的に羞恥嫌悪の情をおこさせる行為をいう。
3 「してはならない」とは、何人も、青少年に対しみだらな性行為又はわいせつな行為をして はならないのであって、相手となる青少年が承諾したかどうかは問わない。
4 「教え、又は見せ」とは、青少年に対し、みだらな性行為又はわいせつな行為をするのでは ないが、当該行為の方法等を教示することであり、単なる猥談等の漠然としたものではなく、 具体的に教示することをいう。

栃木県青少年健全育成条例の解説
第5章青少年の健全育成を阻害する行為等の規制
(いん行等の禁止)
第42条何人も、青少年に対し、いん行又はわいせつ行為をしてはならない。
2 何人も、青少年に対し、前項の行為を教え、又は見せてはならない。
【要旨】
本条は、青少年に対していん行又はわいせつ行為をし、又はそれらの行為を故意に教えたり見せたりするなど直接的に青少年の福祉を阻害する背徳行為を禁止し、青少年の健全育成を図ろうとするものである。
【解説】
3 「わいせつ行為」とは、いたずらに性欲を刺激興奮せしめたり、その露骨な表現によって健全な常識ある一般社会人に対し、性的な羞恥、嫌悪の情を起こさせ、善良な性的道義観念に反する行為をいう。
具体的には「陰部に対する弄び、押し当て」「乳房に対する弄び」「接吻」「裸にしての写真撮影やビデオ撮影」等その部位態様はかなり狭く解する。
4 「してはならない」とは、青少年を相手方として、いん行又はわいせつ行為を行うことを一切禁止しているのであり、相手方の同意、承諾の有無及び対価の授受の有無は問わない。
5 本項の規定は、13歳以上の女子(男女)に対する暴行脅迫を伴わない姦淫(いん行)わいせつ行為について現行法上なんらの規制もなく、青少年の保護育成上の盲点となっているので、この条例で規制しようとするものである。
したがって、
? 13歳以上の女子を暴行又は脅迫をもって姦淫(いん行)し、又は13歳以上の男女に対し暴行又は脅迫をもってわいせつ行為をした場合
? 13歳未満の女子を姦淫又は13歳未満の男女にわいせつ行為をした場合(暴行、脅迫を伴わない、いわば同意によるもの)については、刑法第177条(強姦)又は第176条(強制わいせつ)の条項と競合すること
となる。
6 「教え」とは、いん行又はわいせつ行為の相手方とはならないが、当該行為の方法等を直接青少年に具体的に教示することであり、単なるわい談等はこれに該当しない。
7 「見せ」とは、自己又は他人のいん行又はわいせつ行為を直接青少年に見せることをいい、図書、ビデオ等の媒体を通じて見せることはこれに該当しない