児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

強制指導か見守りか

 弁護人としては、最初が肝心だと思うんですよ。被害者にきついこと言われて、カウンセリングで原因が深いことを自覚して、自重自戒してもらう。手間も費用もかかるし、裁判も長引くが、再犯しなければ、トータルコストは安上がり。関西人はここでもそろばん勘定。

 そこまでしなくても、1回目は法廷でぺこぺこ謝っていれば、深く反省してなくても執行猶予付く。執行猶予ついちゃうと弁償もカウンセリングもするわけないので、そのまま復帰。

 2回目は実刑だが、お金がないと、国選弁護人だし、弁償もカウンセリングもしないので、自分の問題点に気付かない。
 刑務所のなかは、最近では治療プログラムもあるんですが、これを受けたからといって、この成績がいいからといって、メリットがあったという話は聞きません。


http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokushima/news/20110705-OYT8T01128.htm
婦女暴行、強制わいせつといった性犯罪は昨年、県内で急増し、そのうち女性3人への犯行で強制わいせつ致傷罪などに問われた徳島市の無職男の被告(30)に対する地裁の裁判員裁判の判決が、6月末で確定した。性犯罪では、特に再犯防止が、新たな事件発生を防ぐ重要ポイントの一つとされる。この裁判の公判では被告が自分の過去の性犯罪に触れ、「前回の反省は上辺だけだった」と述べた。性犯罪者をいかに更生させるかが、大きな課題になっている。(苅田円)

 法務省のまとめによると、全国では2010年に婦女暴行が約1300件、強制わいせつが約7000件発生。01年に比べてそれぞれ約4割、3割近く減った。県警のまとめでは、県内では大きな増減はなく、09年に各4件、28件だったのが、10年は5件、37件と急増した。今年上半期(6月末まで)は幸い各0件、7件と減少に転じたが、県警は「夏場に多く発生する恐れがある」とみて警戒を強めている。

 性犯罪は再犯率が高いとされる。実際、同省の犯罪白書(2010年版)によると、強姦罪の受刑者のうち、出所後およそ10年以内に同種、または類似の性犯罪で禁錮以上の刑を受けた者は14・7%。殺人の同種・類似の再犯(2・5%)や強盗(11・1%)よりも再犯率が高い。しかも再犯の恐れは長期間続くという。

 こうした性犯罪者の再犯対策として国は06年、全国18の刑務所に限って特別の処遇プログラムを始めた。受刑者に被害者の苦痛や犯罪行為の重大性を考えさせ、犯行までの経緯を思い出させて対処法を見つける。犯行の重大性などでグループ分けし、それぞれカウンセリングや被害者の手記を読むといった作業をさせる。

 法務省は、このプログラムを受講した出所者の性犯罪再犯率は3・6%で、低いと強調するが、受講者は昨年6月現在で、811人にとどまっている。

 今回の裁判員裁判の公判で、被告は涙ながらに被害者への謝罪の言葉を述べ、支えてくれた家族への感謝の気持ちを話した。しかし、判決は求刑を1年上回る懲役9年だった。

 佐藤晋一郎裁判長は被告の性犯罪歴を挙げ、「真摯(しんし)に反省しているとは認められず、性犯罪への傾向は根深い」と判決理由を述べた。「被害者のことを思って更生を果たしてほしい」とも説いた。