児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

準強制わいせつ罪で起訴の判事、罷免訴追されない見通し

 裁判官って、10年ごとに再任なので、修習期別名簿をみれば、今年再任時期というのもわかってて、業界ではみんな丸わかりなのに、最高裁が訴追請求してて、どうするかなと思ってました。
 弾劾は裁判官の身分を失わせる手続きですから、訴追された裁判官が任期満了免官になりそうな場合に再任(擬制)するという規定がないので、免官されちゃって、訴追は目的を失います。
 再任して、罷免するのかと思ってましたが、「再任されることができる」となっているのに再任届を取り下げた本人の意に反してまで再任することもできないようです。
 この穴を埋めるような裁判官弾劾法の改正の話になると思います。

http://www.asahi.com/national/update/0317/TKY200903170357.html
臼井日出男委員長によると、この日の聴取結果だけで訴追すべきだという意見もあったが、「自白だけで有罪を認定すべきでない」という声もあり、結論を先送りした。今後、一木判事の刑事裁判が始まり、証拠を見ることができれば改めて訴追すべきか判断するという。ただ、憲法は裁判官の任期を10年と決めており、判事の場合は4月10日に満了するため、訴追されたとしても弾劾裁判を受ける前に任期満了となる可能性が高い。 臼井委員長は「任期を延長する規約もないし、不適格の人が再任される見通しもない。間に合わない場合は、任期切れをもって審査を終了せざるを得ない」と話した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090317-00001018-yom-soci
被告は起訴事実を認めたが、来月10日に裁判官の任期(10年)が切れて退官する予定になっており、再任願もすでに撤回していることから、訴追されないまま審査が終結するとみられる。
 同委によると、事情聴取で被告は「魔が差した。大変ご迷惑をおかけし申し訳ない」と謝罪した。退職金を辞退する意向を示しているという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090317-00000145-mai-soci
最高裁からの訴追請求を受けた訴追委は17日、被告を呼んで事情聴取し、被告は「申し訳ない。大変ご迷惑をおかけした。女性と20〜30分話して気心が通じたと感じた。魔が差した」と事実関係を認めたという。刑事裁判の初公判の期日は決まっておらず、臼井委員長は「日程的に見て訴追しないまま審査を終える可能性が高い」と話した。
 憲法は、判事や判事補の任期を10年と定める。定年まで再任できるが、被告は再任願を取り下げ、退職金を放棄する意向を示している。任期切れで裁判官の身分は失うが、弾劾裁判で罷免されないと法曹資格は失わない。

憲法
第80条〔下級裁判所の裁判官、任期、定年、報酬〕
下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する。その裁判官は、任期を十年とし、再任されることができる。但し、法律の定める年齢に達した時には退官する。
下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。

裁判官弾劾法
第41条(免官の留保)
罷免の訴追を受けた裁判官は、本人が免官を願い出た場合でも、弾劾裁判所の終局裁判があるまでは、その免官を行う権限を有するものにおいてこれを免ずることができない。
第41条の2(公職選挙法の適用除外)
第十五条第三項の規定により最高裁判所から罷免の訴追をすべきことを求められており、又は訴追委員会から罷免の訴追をされている裁判官については、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第九十条(他の法律において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。