児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童に対する数回の強制わいせつ罪が科刑上一罪になりそうな事案(埼玉県警)

 製造罪−強制わいせつ罪を併合罪として処理していると思うのですが、観念的競合説も有力です。
 製造罪−強制わいせつ罪が観念的競合だとすると、数人同一の携帯電話で撮影して内蔵メモリに蔵置して後日まとめてSDカードに移したりするとそこでかすがいになって、科刑上一罪になってしまいますね。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080331-00000939-san-soci
男児のわいせつ画像600枚 18歳少年を逮捕
 男児にわいせつな行為をするなどしたとして、埼玉県警所沢署は31日、強制わいせつと児童ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで所沢市の無職の少年(18)を再逮捕した。
 調べでは、少年は昨年11月17日、同市小手指南の公園で、小学2年の男児(8)に「キスしないと遊ばないよ」と言ってキスをし、さらに陰部を露出させて触り携帯電話のカメラで撮影したほか、今年1月8日には同市の雑木林で、小学1年の男児(7)の陰部を露出させて撮影した疑い。「小さい男の子を見ると性的に興奮する」と供述、容疑を認めている。
 少年は2月10日、同市で男児(6)にキスしたとして、強制わいせつ容疑で今月11日に逮捕され、押収された携帯電話から男児のわいせつ画像約600枚が見つかり、同署が余罪を調べていた。

 とすると、2/10の強制わいせつも11/17の強制わいせつも1/8の強制わいせつも公訴事実が同一になる可能性があります。再逮捕になる危険性。
 観念的競合説の難点は、公訴事実の同一性の範囲が広くなることです。