児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

併合の利益・併合審理の利益(高松高裁H19.5.15)

  A事件(懲役a年)
  B事件(懲役b年)
を犯したとき、ABが同時に審理されたときの量刑は、a+bより軽くなります。併合の利益とか併合審理の利益といいます。性犯罪の傾向とか常習性とか前歴とか、共通の量刑要素があるので、そこが二重評価されると辛い。
 とすると、何かの都合でAとBがばらばらに審理されたときの量刑も、公平の観点からは、同じでなければいけないわけです。同時審判の可能性がある場合は特に。
 そういう配慮に欠けると、「重すぎる」という評価になるわけです。

高裁、強姦罪の男を減刑 警察の鑑定遅れを指摘 /香川県
2007.05.16 朝日新聞社
 強姦(ごうかん)と強制わいせつの罪に問われた被告(34)に対する控訴審判決が15日、高松高裁であり、柴田秀樹裁判長は強姦罪について懲役4年6カ月とした一審の高松地裁丸亀支部の判決を破棄し、懲役4年を言い渡した。強制わいせつ罪についての控訴は棄却した。
 判決によると、同被告は01年2月、坂出市内で女性を強姦した。しかし当時は検挙されず、02年に別の強制わいせつ罪などで起訴されて実刑判決を受けて服役、その後、再び今回の強姦罪で起訴された。
 柴田裁判長は、以前の判決が確定する前だった今回の犯行時に警察が現場の遺留品を押収していたことから、「当時、遺留品のDNA鑑定をしていれば検挙でき、(前の裁判と)同時に裁判を進めることも可能だった」として、一審判決は「いささか重すぎる」と判断した。