児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

裁判員裁判:地裁 判決当日に訴因追加 女性暴行、求刑通り懲役8年 /千葉

 訴因変更だから、罪数判断に変化がないので、変更後の2罪は包括一罪なんですかね?そこを併合罪だ(訴因変更は無効だ)という控訴は普通しませんよね。
  強姦致傷・・・無期又は五年以上の懲役
  ↓
  強制わいせつ致傷・・・無期又は三年以上の懲役
  強姦罪・・・三年以上の有期懲役

 いずれにしても無期懲役まであるのに強姦の犯意の発生時期というのは、情状として主張したと思うんですが、量刑は変わらなかったようです。

第177条(強姦)
暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。
第181条(強制わいせつ等致死傷)
第百七十六条若しくは第百七十八条第一項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は三年以上の懲役に処する。
2 第百七十七条若しくは第百七十八条第二項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、無期又は五年以上の懲役に処する。
3 第百七十八条の二の罪又はその未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、無期又は六年以上の懲役に処する。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100706-00000085-mailo-l12
女性に性的暴行を加えてけがをさせたとして、強姦(ごうかん)致傷罪に問われた男の裁判員裁判で、千葉地裁(小坂敏幸裁判長)は5日、「同罪は成立せず、強制わいせつ致傷と強姦罪にとどまる」として求刑通り懲役8年の実刑判決を言い渡した。強制わいせつ致傷と強姦罪は、判決当日、言い渡し前に検察側が訴因に追加した。無罪判決を避けたとみられる。裁判員裁判での訴因追加は全国的に異例。

判決によると被告(29)は09年10月9日、千葉市の路上で帰宅途中の女性を地面に押し倒し、顔を殴るなどで3週間のけがをさせ、わいせつな行為をした。さらにその後、別の場所で性的暴行を加えた。
 公判で検察側は「暴行、脅迫した当初から強姦するつもりだった」と主張したが、小坂裁判長は「被告の行動から推し量ると、当初から暴行の意思があったことが間違いないとまでは言えない」と退けた。捜査段階の自白の信用性も「被告が複数回訂正を申し入れており、真意とは認めがたい」と否定した。
 判決後の裁判員会見で、30代男性会社員は「もっと調べられないかといらだつ部分もあった」と検察側の調べ不足を批判。過去の強制わいせつ致傷事件で判決の量刑が軽いとの指摘も相次いだ。