刑事事件としてはマイナーだし、量刑相場は知られていないので、弁護士の話を軽信するなという話。
一審実刑となった事件を受けるわけですが、たいてい量刑理由に「何ら慰謝の措置を講じていない」と書かれている。
よくあるのが
一審の国選弁護人に尋ねたら
「この種の事件では謝罪・示談はいらない」
「示談しなくても実刑にはならない」と言われたので、
何もしなかった
という被告人の弁解。まあ、弁護過誤のおそれがありますが、国選弁護人ならありうる話。量刑相場を知らないのに知ったかぶりするからそうなる。
結局、何もしてないのだから、判決理由の指摘は正当というしかない。
控訴審弁護人が被害者に謝罪しに行ったら
なにをいまさら。
実刑になったからにわかに謝罪するというのは真意がない
と、猛反発。
それでもこっちも仕事なのでできるところまではやるわけです。
一審から受けた場合でも、先に当番弁護士がいると
当番弁護士に尋ねたら
「この種の事件では謝罪・示談はいらない」
「示談しなくても実刑にはならない」と言われたので、
何もしていなかった
という話をして、被害弁償とか謝罪とかを渋る被告人もいます。
奥村の感覚で実刑の確率が高い場合には、被告人の話と、弁護人の観測とを書面化して渡しています。弁護方針にかかわるからよく考えてもらう必要があるし、後で弁護過誤だと言われるとやっかいだ。
奥村弁護士に尋ねたら
「この種の事件では謝罪・示談はいらない」
「示談しなくても実刑にはならない」と言われた
とは言わせません。