児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

15歳少女にみだらな行為、私大生ら3人逮捕

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041209-00000416-yom-soci

 いわゆる「乱交」なんですが、この事例を脹らませて、児童らに日当などが支払われていた場合には、児童買春罪となる可能性があります。
  男性   女子児童
  A     甲
  B     乙
  C     丙
 しかし、ABCが合算して支払う形式とか、参加料を支払う形式だと、Aはどの児童との間で幾らの「対償供与の約束」をしていたのか、誰が誰に支払ったのかが不明確になります。
 そういう場合は、無理に単独犯で構成せずに、ABCを共同正犯で括ってください。
 その際、共謀ないし共同実行の内容として、児童買春罪の実行行為が何かということにも注意して下さい。


 そんな事例があります。対償の金額が認定できませんでした。
 被害児童の所為は、児童買春犯人の言いなりでした。操縦されている感じ。

大阪地裁H15.8.6
児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反被告事件
2 犯罪事実
第1 被告人は,平成14年8月15日午後10時41分ころから翌日午前3時24分ころまでの間,大阪府枚方市ホテル「」311号室において,O子(昭和61年月日生,当時15歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら,現金の供与を約束して同人と性交し,もって,児童買春をした。
第2 被告人は,上記日時場所において,F(昭和61年月日生,当時16歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら,現金の供与を約束して同人と性交し,もって,児童買春をした。
4 争点に対する判断
第1弁護人の主張の概要
弁護人は,手続に関する主張として,管轄違いと,対償供与の約束が成立した時期が特定されておらず訴因が不特定であることの2点を主張する。また,実体に関する主張として,被告人と被害児童との間には対償の供与が約束されていないこと,被告人の行為には可罰的違法性がないことを理由に無罪を主張する。さらに,第2の事実について,被告人らが被害児童との間で結んだ約束は,第1の犯行で終了しており,第2については犯罪が成立しないとも主張する。
第2前提となる事実(以下の事実は関係各証拠によって認められる。なお,弁護人は,M,Oの供述は,証書拒絶権の告知がなされておらず証拠能力を有しないと主張する。上記告知の有無は調書上明らかでないが,仮になされていないとしても,Mは本公判廷での供述前に本件各事実による処分を受けているので、甲供述の証拠能力に影響はない。また,Oの供述に証拠能力がなかったとしても,Oの検察官調書謄本の同意部分によって以下の事実は認定できる)
平成14年8月15日,Mと友人のFは雑談するうちに,海に行くためのお金を手に入れるために援助交際をしようということになった。Mは以前に援助交際をしたことがあるk倍弘にメールを打つとkが電話を架けてきたので,Mは,2万円で援助交際する相手を紹介してほしいと頼んだ。kは,その場に居合わせたY男を紹介し,さらにMも来るよう誘い,Mもそれに応じた。
その後,kは,友人の被告人も誘うことにして,Mにもう1人少女を連れてくるよう電話で依頼した。MはいとこのOを誘い,男性3名と少女3名で会うことになった。6人で会うことが決まった後,Mは,kに対し,「みんなお金くれるの,お金頂戴や」と金銭の支払いを要求してきたので,kがいくらかと聞くと,Mは,2万円ないしは3万円を提示した。しかし,kがY男と相談して1万円に値切ると,Mは,不満はあったが了承し,Fにもその旨伝えた。kは被告人に,MはOに,それぞれ援助交際の代金が1万円となったことを伝えた。
6人は,JR駅で待ち合わせ,そこから被告人の車でホテルに向かった。その事の中で,お互い自己紹介するなどして,男性3名は少女3名がいずれも15,6歳であることを知った。
そして,6人は,同日日午後10時41分ころ,リビングルームと2つのベッドルームの付いたホテルの一室に入り,しばらくリビングルームでカラオケなどをしていたが,約1時間後にkが,「相手きめてや」と言ってきたので,Mらはじやんけんで相手を決めることにした。しかし,それでも決まらなかったため,Y男がFをベッドルームに連れて行って性交し,被告人がOを別のベッドルームに連れて行って性交し,kとMが,Y男とFが性交した後,そのベッドルームで性交した。
その後,6人は再びカラオケに興じていたが,Y男がOを誘い,kがMを誘い,被告人がFを誘って,それぞれ性交した。
6人は,翌日の午前3時24分ころに亦テルを出たが,ホテルを出る前に,kがMに対して現金1万円を渡し,被告人とY男がFに対して現金各1万円ずつを渡したが,Oが1万円をもらっていないことが判明したため,Y男がFから1万円を返してもらい,改めてOに現金1万円を渡した。
第3裁判所の判断
2訴因不特定の主張について
本件公訴事実では,被告人が被害児童と性交した日時,場所が特定されているので,対償供与の約束が成立した時期が明示されていなくても他の事実と混同されるおそれはなく,訴因は特定されている。
3対償供与の約束の成立について
上記で認定したところによれば,被告人ち男性3名と被害児童らの間には,児童3名が,男性3名の誰かから1万円をもらう代わりに,男性3名の誰かと1回あるいは複数回性交をすることの合意が成立したと認められる。
そして,具体的に性交の相手が決まった時点で,上記の合意は,男性が性交の相手である児童に現金を与え,児童が性交に応じるという約束に具体化したというべきであり,本件では,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律2条2項にいう「対償の供与の約束」があったと認められる。
そして,上記認定によれば,被告人は各被害児童との性交前に上記の具体化された合意をしたと認められ,第1の犯行によって約束は終了したとの弁護人の主張は採用できない。
なお,公訴事実では,被告人は被害児童2名ぞれぞれに現金各1万円の供与を約束して性交したとされているが,各性交を開始する時点では誰と何回性交するのかが確定していなかったのであり,被告人は現金各1万円の供与を約束したとはいえず,判示のとおりの事実を認定した(念のために付言すると,供与する現金の額が不確定でも対償を供与したことには変わりがない)。