児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

winnyによる著作物配付の直接性

 プロバイダーやwinnyでいう接続ノードの管理者をどう位置付けるかという疑問です。
 送信可能化権侵害罪の「直接性」という構成要件はどこから来るのかも疑問です。

 winmxの東京高裁h16.5.26(発信者情報開示)では介在するプロバイダーにも一定の主体性を認めています。
 また、刑事の東京高裁H16..23は画像掲示板管理者が児童ポルノ陳列罪の正犯となることを認めているのだから、プロバイダーとか中継者の存在を無視することはできないんじゃないかと考えています。

1 間接的送信であるから、送信可能化に該当しない。
(1)送信可能化の概念
 ところで、送信可能化行為は、公衆によって「直接受信」されることを意味する。「間接受信」に供することは含まない。
 winnyは「他人を介して」伝達するというのであるから、「間接送信」に他ならず、公衆送信に当たらないから、送信可能化権侵害には当たらない。文理解釈である。
 そもそも著作権法著作権者以外の者にとっては表現行為の直接的制限に他ならないから、表現の自由に対する過度に広汎な規制・漠然不明確な規制となる。
 ここでも限定解釈が必要である。
 送信可能化・公衆送信の概念を説明するために、略図を示す。



図1
 被告人PCと公衆のPCとの間に他人が介在している状態
図2
 被告人PCと公衆のPCとの間に他人が介在していない状態