改正に動かない立法者をなんとか動かそうという動きだろうか。
ジョン・カーさん 子ども買春1000件超「驚き」(ぴーぷる)
2004.05.06 東京夕刊 3頁 3総 写図有 (全391字)
「英国では単純所持も禁止。違法なものをもつプライバシー権はない」と、子どもポルノや子ども買春は同意とは関係なく、それ自体が虐待であることを強調した。
朝日新聞社
とにかく改正案が動かない。
「子どもは国の宝」だとか言ってても、道路とか年金とかに誘引されるようである。
単純所持罪には賛否があるようだが、現行法においても、「所持」は、製造したか販売頒布目的の重要な証拠である。
ところで、単純所持罪については、新たな法益侵害がないという点で、当罰性・可罰性を見いだしにくいのではないか。
他方、児童ポルノ罪の行為類型を見ると、製造・運搬・販売・公然陳列といった児童ポルノを流通・拡散させる動的行為を処罰している。児童ポルノの保護法益をどう理解しようと(個人的法益説しかないのだが)、動的な行為によって新たな法益侵害が生じるというのは異論がないところである。
だとすれば、取得罪を設けて、児童ポルノの「入」を規制すれば、既存の販売・頒布罪と併せて、児童ポルノの「出」と「入」を規制できるし、所持=製造or取得or販売頒布の証拠となることから、「所持」を事実上規制できるのだから、目的を達成できるのではないか。
妥協点。
これと、児童ポルノを持って自首した者の必要的減軽免除で児童ポルノの流通の端緒を掴み、児童ポルノの回収を図れば、ザル法も強化される。
なお、弁護人・警察・検察官・裁判所が所持罪になるという反対派の主張は、説得力がない。刑事訴訟では、すでに、いろんな法禁物(偽造通貨・偽造文書・薬物・銃器等)を扱っているし、正当化する理屈を知っているからである。