肛門に繰り返しマドラーを挿入するというわいせつ行為(静岡地裁r6.4.15)
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【裁判年月日等】
令和6年4月15日/静岡地方裁判所/強制わいせつ、性的姿態等撮影被告事件
D1-Law.com判例体系
理由
(罪となるべき事実)
第1(令和5年(わ)第401号・同年10月17日付け起訴分)
被告人は、分離前相被告人A(以下「A」という。)、同B(以下「B」という。)及び同C(以下「C」という。)と共謀の上、D(当時23歳。以下「D」という。)に強いてわいせつな行為をしようと考え、令和5年5月1日午後7時41分頃から同日午後7時55分頃までの間、F市(以下略)所在のGビル3階(省略)号室社交飲食店「H」において、Dに対し、Aが、Dの後方からその首に腕を回して絞めつけるなどして押さえつけ、C及びBが、Dの腕を押さえつけるなどの暴行を加えながら、その肛門に繰り返しマドラーを挿入し、もって強いてわいせつな行為をした。
第2(令和5年(わ)第539号・同年12月27日付け起訴分)
被告人は、令和5年9月6日午後1時41分頃、F市(以下略)浴室内において、全裸のD(当時23歳)に対し、DがAからその顔面や身体に向けて高温のシャワーをかけられる暴行を受けていることにより同意しない意思を形成することが困難な状態にあることに乗じ、動画撮影状態にしたスマートフォンを使用し、Dの陰茎等を動画撮影した。
(証拠の標目)
(法令の適用)
1 主刑
(1) 構成要件及び法定刑を示す規定
前記第1の行為は刑法60条、令和5年法律第66号附則2条1項により同法による改正前の刑法176条前段に、前記第2の行為は性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律附則2条により同法2条1項2号、1号イ、刑法176条1項1号にそれぞれ該当する。
(2) 刑種の選択
前記第2の罪について懲役刑を選択する。
(3) 併合罪の処理
以上は刑法45条前段の併合罪に該当するから、同法47条本文、10条により重い前記第1の罪の刑に同法47条ただし書の制限内で法定の加重をする。(量刑の理由)
本件は、ホストクラブの代表者である被告人が、店舗の従業員らと共謀の上、被害者に対し、暴行を加えながら、強いてわいせつな行為をした強制わいせつの事案(前記第1)、及び、浴室内において、全裸の被害者が顔面や身体に向けて高温のシャワーをかけられる暴行を受けていることにより同意しない意思を形成することが困難な状態にあることに乗じ、動画撮影状態にしたスマートフォンを使用し、被害者の陰茎等を動画撮影した性的姿態等撮影の事案(前記第2)である。