児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

3号ポルノの罪となるべき事実に性器露出を記載しないので理由不備の疑いがあるもの(山形地裁r03.7.28)

 「陰茎を被告人の口腔内に入れて口腔性交をするなどの姿態をとらせ」では、性交類似行為・性器接触行為構成要件を満たしますが、「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態」なのかがわかりませんので、3号ポルノの要件を満たしません。理由不備だと思います。控訴すれば破棄されたと思います。重い性犯罪・福祉犯罪+3号ポルノ製造の場合は要注意です。



D1law
■28292663
山形地方裁判所
令和03年07月28日
 上記の者に対する建造物侵入、山形県迷惑行為防止条例違反、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、強制性交等被告事件について、当裁判所は、検察官今泉伸二及び弁護人及川俊和(国選)各出席の上審理し、次のとおり判決する。
理由
(罪となるべき事実)
 被告人は、
第2(令和3年2月2日付け起訴状記載の公訴事実)
  令和2年10月10日午前10時35分頃から同日午後3時48分頃までの間に、●●●所在の●●●男子便所において、●●●(当時12歳。以下「D」という。)に対し、同人が自慰行為をしている動画をスマートフォンで示した上、「学校とかにも送れるんだよ。」などと言って脅迫し、その反抗を著しく困難にして、同人の陰茎を被告人の口腔内に入れ、口腔性交をした。
第3(令和3年3月10日付け起訴状記載の公訴事実)
  令和2年10月10日午前10時35分頃から同日午後3時48分頃までの間に、同所において、Dに、Dの陰茎を被告人の口腔内に入れて口腔性交をするなどの姿態をとらせ、これを被告人が使用する動画及び写真撮影機能付きスマートフォン(OPPOfindX2Pro)で撮影し、その動画データ等を、アプリケーションソフト「A」を通じて被告人が使用するスマートフォン(iPhone7)に送信し、同日午前11時54分頃から同日午後8時39分頃までの間に、同所等において、その電磁的記録である動画データ5点及び静止画データ1点を同スマートフォン本体に記録させて保存し、もって児童を相手方とする性交類似行為に係る児童の姿態、他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの及び衣服の一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノを製造した。

刑事部
 (裁判長裁判官 今井理 裁判官 土倉健太 裁判官 佐藤元