児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

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フリマアプリ(メルカリ・ラクマ等)で転売されているマスクは古物か?古物商の登録は必要か?

 薬局→転売者A→フリマ等で販売
という場合、薬局からの購入が「使用されない物品で使用のために取引きされたもの」となるとすると、Aが買ってからその時点で「古物」となるので、Aは古物を買ったことにはならないので、フリマ等での販売行為は「古物の売却だけを行う営業」となるので、古物営業には該当しません。警視庁の回答も同旨です。

古物営業法
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、盗品等の売買の防止、速やかな発見等を図るため、古物営業に係る業務について必要な規制等を行い、もつて窃盗その他の犯罪の防止を図り、及びその被害の迅速な回復に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「古物」とは、一度使用された物品(鑑賞的美術品及び商品券、乗車券、郵便切手その他政令で定めるこれらに類する証票その他の物を含み、大型機械類(船舶、航空機、工作機械その他これらに類する物をいう。)で政令で定めるものを除く。以下同じ。)若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう。
2 この法律において「古物営業」とは、次に掲げる営業をいう。
一 古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であつて、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの
二 古物市場(古物商間の古物の売買又は交換のための市場をいう。以下同じ。)を経営する営業
三 古物の売買をしようとする者のあつせんを競りの方法(政令で定める電子情報処理組織を使用する競りの方法その他の政令で定めるものに限る。)により行う営業(前号に掲げるものを除く。以下「古物競りあつせん業」という。)
3 この法律において「古物商」とは、次条第一項の規定による許可を受けて前項第一号に掲げる営業を営む者をいう。
4 この法律において「古物市場主」とは、次条第二項の規定による許可を受けて第二項第二号に掲げる営業を営む者をいう。
5 この法律において「古物競りあつせん業者」とは、古物競りあつせん業を営む者をいう。

https://legal.coconala.com/bbses/8664
ベストアンサーに選ばれた回答
内藤 政信
内藤 政信弁護士
2020年3月5日 09:52
東京都
古物営業法
この法律において「古物」とは、一度使用された物品(鑑賞的美術品及び商品券、乗車券、郵便切手その他政令で定めるこれらに類する証票その他の物を含み、大型機械類(船舶、航空機、工作機械その他これらに類する物をいう。)で政令で定めるものを除く。以下同じ。)若しくは使用されない物品で使用のために取引きされたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう。

単純に言うと、一度、消費者の手に渡ったものは、法律上は、古物になります。
したがって、転売するなら、許可証が必要ですが、取り締まりが追いつきませんね。事実上、野放しですね。

生活安全~質疑回答集H15~ 警視庁生活安全部
問3 フリーマーケットで一般人が不用品等を販売する場合における、古物営業の許可の要否
X署A巡査は、警ら中、管内のY公園内において、「フリーマーケット」が開催されている事実を把握し、管内居住のBが、衣類、自転車等の使用済みの不用品を持ち込み、適当な値段をつけて公園に集まった人たちに販売しているのを現認した。Bは、古物営業の許可を受けていないが、この行為は、古物営業法第3条(古物営業の許可)違反となるか。

単に物品(古物)を販売するだけの行為は、古物営業法第3条(古物営業の許可)違反とはならない。

解説
(1)古物営業法(以下「法」という。)第2条1項に規定する「古物」とは、
①一度使用された物品
②使用されない物品で使用のために取引されたもの
③これらいずれかの物品に「幾分の手入れ」をしたもの
をいう。
ここでいう「使用」とは、その物本来の目的に従ってこれを使うことをいい、例えば、衣類についての「使用」とは、着用することであり、自転車についての「使用」とは、買物等のため乗車することである。
したがって、甲が販売していた衣類、自転車等は、本法にいう「古物」に該当する。
(2)次に、古物の意義については、
○一度ユーザーの手に渡ったものを対象とするものであること。
○メーカー→卸売→小売という通常の流通段階にあるものは、除外されるものであること。
とされている。
これは、法の目的が、盗品等の流通防止であり、通常の流通手段においては、特定の相手方との定型的な取引がほとんどであるため、盗品等が混入するおそれが少ないからである。
(3)本問の場合、問題となるのは、古物営業の許可を受けていないBにおいて、これら古物に該当する不用品等を販売する行為が、法第3条(古物営業の許可)に抵触するかという点である。
この点について、法第2条2項1号は、古物営業の定義を、「古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であって、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの」と規定し、盗品等の混入のおそれが乏しい、
○古物の買取りを行わず、古物の売却だけを行う営業
○自己が売却した物品を、当該売却の相手方から買い受けることのみを行う営業
については、古物営業から除外している。
(4) 以上のことから、Bの行為は、「古物営業」から除外されている「古物の買取りを行わず、古物の売却だけを行う営業」に該当し、古物営業には当たらないことから、法第3条(古物営業の許可)違反は成立しない。
・・・・
本法にいう「古物」とは、「一度使用された物品」若しくは「使用されない物品で使用のために取引されたもの」又は「これらの物品に幾分の手入れをしたもの」をいい(古物営業法2Ⅰ)、古物営業法施行規則第2条に13の区分(美術品類、衣類、時計・宝飾品類、自動車、自動二輪車及び原動機付自転車、自転車類、写真機類、事務機器類、機械工具類、道具類、皮革・ゴム製品類、書籍、金券類)が定められている。
ここで、「使用」とは、その物本来の目的に従って「使う」ことをいう。したがって、本来の目的に従って使用することができなくなった物品は、廃品であって「古物」には該当しない(例えば、屑鉄、屑繊維等)。
「使用されない物品で使用のために取引されたもの」とは、一般消費者が、購入、譲受等した物品を、使用しないで新品のまま売却するような場合をいう。
また、「幾分の手入れ」とは、その物本来の性質、用途に変化を及ぼさない形で、修理等を行うことをいう。