児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

sexting事案でタナー法は使わない~先を見通す捜査弁護術 犯罪類型別編

 タナー法の問題は、販売提供とか所持で、児童との接点がない場合です。
 sextingの製造事案というのは、児童側から発覚するので、タナー法を使わなくても、年齢は判っています。
 「17歳なんだから17歳に見えるよなあ」と自白させれば終わり。

「5児童を被害者とする犯罪(児童ポルノ法違反等) 」
【設問】被疑者は、B女の年齢は知らなかったし、送信された裸の画像を見ても18歳未満であると思わなかったと述べている。
製造罪や単純所持罪等でも知情性の否認のケースがあります。
弁護人は画像取得の経緯から知情性を認定できないことを主張します。
画像自体を捜査段階で見ることは難しいでしょうが、明らかに低年齢の児童の場合を除けば、知情性を否定できる余地はあります。
一方、捜査機関は、被写体となった人物の年齢の判定を小児科医に求めることがあります。その際「タナー法」が用いられることが多いようです。しかし、タナー法はもともと生身の人間に対して発育の度合いを判定するものであり、画像での年齢判定への応用について開発者のタナー教授自身が批判した経緯もあることから(11)、小児科医の意見を争う余地はあると思われます。
11 吉井匡「児童ポルノ事件における児童性の認定方法に関する考察タナー法を用いた年齢推定法の利用について」「浅田和茂先生古稀祝賀論文集〔下巻〕』成文堂(2016年) 347頁