児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

青少年から「結婚したい」と言われても真剣交際の主張が排斥された事例(大阪高裁H29.1.29)

 真剣交際の主張の主張をして負けた事件がたくさんあります。
 青少年から「結婚したい」と言われても、それだけでは真剣交際の主張は通りません。

児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反,青少年愛護条例(県条例第 17号)違反被告事件
 2  原判示第 2に関する法令適用の誤りの主張について
 一審判決が,原判示第 2の事実について,児童(当時 14歳)に対する青少年愛護条例(昭和 38年兵庫県条例第 17号)違反の罪(青少年に対するみだらな性行為の罪)の成立を認めたことに誤りはない。
 弁護人は,被告人は児童との結婚を検討し,児童も被告人と結婚する意思があるなど,真剣な交際に基づく性交であったから,本条例 21条 1項がいう「みだらな性行為」,すなわち,青少年を誘惑し,威迫し,欺罔し又は困惑させるなどその心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為,あるいは,青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為には当たらない旨主張する。
しかし,被告人と児童との関係,児童が裸の画像データを送信するようになった経緯(前記 1(3))のほか,被告人は,自らもちかけて児童と初めて会うと,その機会に,車でホテルに連れて行って児童と性交に及んでおり,その後児童と会って,車でホテルに行って性的な関係をもち,車で送って別れるという同様の行為を複数回重ねていたところ,原判示第 2の事実はその一環のものである。被告人は,ほぼ同じ時期に,別の女子児童( 1 7歳)ともインターネット上で同様のやり取りをしてホテルで性的な関係をもつなどしていた上,平成 26年3月下旬頃,被告人との関係が母に発覚して警察にも話をした旨児童から聞くと,その後は児童からのメールに返信しなくなったというのであり,以上のような経緯等に鑑みれば,被告人と児童は真剣に交際していたという所論の前提自体が採用の限りではなく,被告人の原判示性交行為は,同条例 21条 1項の「みだらな性行為」に当たるというべきである。
一審判決の判断に誤りは認められない(なお,一審判決は,被告人と児童が複数回会った際,いずれも児童と性的関係をもった旨認定しているところ,弁護人が主張するとおり両者は性交せずに会ったこともなかったわけではないと認められ,一審判決の説示はこの点でやや不正確ではあるが,いずれにせよ前記判断に影響するような問題ではない。)。
 弁護人は,平成 26年 10月以降も,児童が幾通か被告人にメールを送信してきており,中には結婚の意思があることを示すものがあったことを指摘するが,前記の検討によれば,それも児童の判断能力の未成熟さゆえのことと考えられるから,その指摘も採用できない。
 その他の弁護人の主張にも採用できるものはない。原判示第 2の事実について本条例違反の罪の成立を認めた一審判決の判断に誤りはない。
 平成28年 1月 29日
 大阪高等裁判所第 2刑事部
      裁判長裁判官  横 田 信 之
         裁判官  坂 田 正 史
         裁判官  向 井 亜 紀 子