記事によれば、意見陳述したのはA(8)(都迷惑防止条例違反事件)の「被害者」のようですが、厳密に言うと被害者性に疑いがあるようです。
東京高裁H26.10.30 速報番号3534号
卑わい行為の対象者については,実務上,刑訴法29 0条の2に基づきその特定事項を法廷で明らかにしないとの決定がなされ,弁護人も異議を述べないことが多いと思われる。
しかしながら,卑わい行為禁止規定の保護法益については,社会的法益であるとの説(例えば,合田悦三「いわゆる迷惑防止条例について」《小林充・佐藤文哉先生古稀祝賀刑事裁判論集上巻》)もあり,卑わい行為の対象者が刑訴法290条の2所定の被害者に該当しないとの考えも理論上はあり得るところ,本裁判例は,同条の適用を認めた高裁判決として紹介するものである。
http://blogos.com/article/220548/
面識のない女児への強制わいせつめぐる裁判、被害者の母親「娘は事件以来、心が壊れてしまった」
「加害者を絶対、許せません」
面識のない女児への強制わいせつなど3件で起訴された男(37)の判決公判が4月28日、東京地裁(綿引聡史裁判長)であった。判決は「女児たちへのわいせつな事件を繰り返した」として、懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役3年)の有罪判決を下した。冒頭の言葉は、19日に行われた被害女児の1人の母親の意見陳述での言葉だ。証言台は遮蔽されて傍聴席からは母親の表情は見えなかったが、母親の叫びは法廷に響きわたった。綿引裁判長は「被害女児への影響は大きく、決して許されるものではない」と述べた。「当初は女児に自慰行為を見せて満足していたが....」
起訴状などによると、男(被告人)は、2016年8月25日、東京都内で自転車に乗りながら女児A(当時8)に着衣の上から淫部を押し当てた(都迷惑防止条例違反事件)。また同日、自転車で近づき、女児B(当時10)の無理やり服の中に手を入れて右胸を触った(強制わいせつ事件)。この時女児Bが近くの交番に駆け込み、事件が発覚した。逮捕されたのは11月。検察側は当初は2つの事件を起訴していたが、別の事件でも追起訴した。同年10月8日、「トイレを貸して欲しい」などと言いつつ、正当な理由なく住居に侵入し、女児C(当時12)に対して着衣の上から胸を触るなどした(住居侵入と暴行の事件)。このときの供述調書では被告人は反省の意を示し、その中で「当初は女児に自慰行為を見せて満足していたが、侵入してわいせつな事件まで起こしてしまった」と話していたという。起訴されていない余罪があるということか。
逮捕当時は「私は何もしていません」などと犯行を否認している報道もあったが、3月24日の初公判では、起訴事実を認めていた。ただし、論告時に検察官が、女児Cへの犯行を説明する際、「わいせつ目的で住居に侵入」と読み上げたところ、綿引裁判長は「わいせつ目的を立証していない。起訴段階で、一段下げたはず」と述べ、「正当な理由なく」と修正させた。計画性については公判では立証しておらず、最終弁論では、弁護側は「場当たり的で、計画性はない」と述べていた。
「娘の心を殺した殺人事件」 加害者の母親が意見陳述
19日の公判では、被害女児Aの母親からの意見陳述があった。証言の際は、傍聴席から見えないように遮蔽された。「8歳の娘は、学童保育の通学路の途中で被害を受けた。泣きながら帰宅し、すごい形相で私に抱きついてきた。そのときの娘の表情は忘れられない。娘はそれ以来、心が壊れてしまった。過呼吸で苦しんでいる。外が怖い、男の人が怖いと言っている