あれ、東京高裁が1号説と3号説に分かれました。地裁は2号説。
今後、没収について全部判例違反が主張できます。
1号説
東京高裁h24.9.5
携帯電話の没収について
携帯電話機は児童ポルノそのものであって 犯罪組成物として19条1項1号で没収対象となる(原判決は19条1項2号で没収したのは法令適用に誤りがあるが 判決に影響を及ぼさない)
没収するかは裁判所の裁量によるところ 上記のとおり携帯電話機自体が児童ポルノであることからすれば、原判決がこれを没収したのは相当であり 本件携帯電話に「家族」の画像データが併せ保存されているからといって 原判決が裁量を逸脱したとみる余地はない
所論は「家族」の画像データを別の媒体に複写することの可否等について検討すべきであるというが、現行法上 被告人において自由に利用するために押収物である携帯電話機のデータの一部を複写することを許す規定はなく 所論は失当である
3刑事部 金谷部長
3号説
東京高裁H23.10.18
原判決は法令適用の項において 3項製造罪によって生じたsdカード2枚を没収する際の根拠条文として刑法19条1項1号 2項本文を摘示しているところ このような場合には19条1項3号2項本文を適用すべきであるから法令の適用を誤っているがこの誤りは判決には影響しない
2刑 小西部長
・・・
東京高裁H23.11.30
原判決は犯罪組成物としてsd2 マイクロsdの没収しているが、本件各カードは児童ポルノの製造という本件各犯行によって初めて作られたものであるから 犯罪行為により生じたものとして 19条1項3号 2項本文を適用して没収すべきであり 原判決の没収の法令適用には誤りがあるが判決に影響はない、
9部 小倉部長
第19条(没収)
1 次に掲げる物は、没収することができる。
一 犯罪行為を組成した物
二 犯罪行為の用に供し、又は供しようとした物
三 犯罪行為によって生じ、若しくはこれによって得た物又は犯罪行為の報酬として得た物
四 前号に掲げる物の対価として得た物
2 没収は、犯人以外の者に属しない物に限り、これをすることができる。ただし、犯人以外の者に属する物であっても、犯罪の後にその者が情を知って取得したものであるときは、これを没収することができる。