児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童淫行罪の支配関係を否認している事例

 こういう判例があるので最近は被疑事実として「立場を利用して」と書くようになったので否認することになりますが、「淫行させる」というためには、そんなにあからさまな立場利用は必要ないんですよね。 被害児童が立場上断りにくい状況であれば児童淫行罪は成立するようです。

東京高等裁判所判決平成22年8月3日
同法34条1項6号の「児童に淫行をさせる行為」には行為者を相手方として淫行をさせる場合をも含むものと解すべきものの,その場合は,淫行をする行為に包摂される程度を超えて,児童に対し事実上の影響力を及ぼして淫行をするよう働き掛けるなどし,その結果児童をして淫行をするに至らせることが必要というべきである。ところが,原判決は,上記のとおり,被告人がD(以下「被害児童」ともいう。)をして被告人を相手方として性交させた旨判示するのみで,雇用関係や身分関係等により児童を事実上支配していることを示したり,児童に対し淫行を助長・促進するような積極的な行為を及ぼしたことを示すなどして,児童に対し事実上の影響力を及ぼして淫行をするよう働き掛け,その結果児童をして淫行をするに至らせたことを判示していない。すなわち,原判決は,同法34条1項6号の罪の構成要件を満たす事実を漏れなく記載していないというべきであるから,理由不備の違法がある。原審記録によれば,原審は,公判前整理手続において,本件の争点は被害児童が事実上の影響力の下に性交したか否かである旨整理した上,公判においては,この点を中心に当事者間で攻防がなされたことが認められ,さらに,原判決は,「事実認定の補足説明」の項において,被告人が被害児童に対し被告人を性交の相手方とすることについて事実上の影響力を及ぼしていた旨を説示しているものの,原判決が犯罪構成要件に該当する事実を認定したか否かは「罪となるべき事実」の項の記載自体によって判断すべきであり,「罪となるべき事実」の項に判示していない以上,理由不備の違法が解消されるものではないと解すべきである。

 教え子に淫行容疑で再逮捕 刈谷の元塾経営者
2013.04.11 中日新聞
 愛知県警豊田署は十日、児童福祉法と児童買春・ポルノ禁止法違反の疑いで容疑者(38)を再逮捕した。
 再逮捕容疑では、二〇一一年八月、刈谷市内のマンションで、十五歳だった塾の教え子の女子高生にみだらな行為をさせ、携帯電話のカメラで撮影したほか、今年一月にも十七歳の女子高生を刈谷市の塾本部で同様に撮影したとされる。
 署によると、児童福祉法違反は支配的地位を利用した場合に適用する。容疑者は「経営者の立場は利用していない。恋愛感情を抱いていた」と否認しているが、「将来、塾の社員として雇用すると言われた」とする被害者の証言から適用できると判断した。