特定の事件について犯罪原因を追究すれば、何か得られる可能性があると思うんですが、行為者は逮捕勾留され、懲戒免職にしてしまうので、分析できませんよね。
行為者を調べないで、背景だけ調べても、効果無いと思います。 実は、刑事手続でも、刑務所でも、犯罪原因を掘り下げるような機会はありません。
原因と背景分析が不十分−県教育委員らが教職員不祥事で指摘
2011.11.11 静岡新聞
教職員のわいせつ事犯など相次ぐ不祥事の防止策を協議した10日の教育委員協議会。養護教諭や教育委員は、不祥事を引き起こした教職員個人の問題点と、組織としての不祥事抑止力の両面で、原因や背景の分析が足りないと指摘した。
安倍徹県教育長は協議会終了後、報道陣に「不祥事がどういう背景で起きたか分析する」と明言した。
「学生時代に、ストレスへの対応を学ぶ機会が少なかったと思う」−。御殿場市立御殿場中の百々由美養護教諭は、不祥事をめぐり、学校現場で感じ、話し合われている声を率直に提言。学生が、厳しい苦労やストレスを克服した経験が少ないまま教職に就くケースなどを想定し、「現代のニーズに合った学びや研修が大切」と指摘した。
保健室で児童生徒や教職員が心の健康を崩した“サイン”や“SOS”をくみ取る養護教諭の声は切実で、藤枝市立青島中の増田みちよ教諭は「表面的な事象だけでなく、背景が十分に捉えられていない」と強調した。
橋本勝学校人事課人事監は、不祥事を起こした教職員に事情を聴いた際、原因や動機が不明確な例があると説明。「プライバシーの問題もあるが、『何があったのか』を学校現場に伝え防止策につなげることを考えたい」と答えた。
溝口紀子教育委員は、県内教職員の犯罪発生率の数値化と全国との比較調査、分析する必要性を提案。発生年代が30代後半から40代前半の男性に多い、と指摘した。県総合教育センターの三ツ谷三善所長は「年代に応じた研修ができているか大きな課題」と答えた。
保護者代表の高橋尚子教育委員は「何より(被害に遭った)児童生徒の心の傷を教職員で共有し、根絶を一人一人が心に誓って肝に銘じてほしい」と呼び掛けた。