児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

性犯罪再犯防止指導を受講する受刑者の移送について

 かなり遠くまで移送されます。

http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/52/nfm/n_52_2_6_4_4_1.html
1) 対象者の選定
 性犯罪者処遇プログラムは,受刑罪名が強姦等の性犯罪である者に限定することなく,社会の安全の確保という観点から受講の優先度の高い者に実施する。優先度は,[1]受刑罪名及び犯行動機等の事件の内容,[2]常習性,[3]性犯罪につながる問題性の大きさ等の観点から判断される。
 受講の優先度の判断は,第一次的には,各刑事施設において行われる。そして,優先度が高いと判断された受刑者は,詳細な検討を行うため,全国8刑事施設(札幌刑務所,宮城刑務所等)の調査センターに移送される。
(2) 調査センターでの調査等

 調査センターでは,心理技官による詳細な調査を実施する。
 これによって,対象受刑者の再犯リスク(過去の犯罪歴が多いこと,初対面の被害者がいること等,再犯に結び付きやすい問題性で,再犯につながることが統計的に示されているもの)や処遇ニーズ(処遇を通じて働きかけることにより,改善させることが可能な対象者の問題性で,それを改善させることが処遇の目標となるもの)を調査・判定する。その結果に基づき,対象受刑者に実施するプログラムのコース(再犯リスクや処遇ニーズに応じ,高密度,中密度及び低密度の3コースに分けられる。)を決定するなどして処遇計画を策定する。
 また,プログラム受講の意義を理解させ,動機付けを高めるためのオリエンテーションを実施した上,性犯罪者処遇プログラム受講のため,対象受刑者を指定された全国20の刑事施設に移送する。

○性犯罪再犯防止指導を受講する受刑者の移送について(依命通達)[平成20.4.1矯成2220 矯正局長依命通達]
平成19年4月19日付け法務省矯成第2532号当職依命通達「性犯罪再犯防止指導を受講する受刑者の移送について」の全部を下記のとおり改正し,本年4月1日から実施することとしましたので,遺漏のないよう配意願います。

1調査センターにおいて刑執行開始時調査を行った者の移送について
受刑者の処遇調査に関する訓令(平成18年法務省矯成訓第3308号大臣訓令。以下「処遇調査訓令」という。)第8条第1項の規定に基づき調査センターにおいて刑執行開始時調査を行った者のうち,受講対象者(処遇指標R3(性犯罪再犯防止指導)の指定かなされた者をいう。以下同じ。)については,別表1の基準に基づき,次に掲げる移送を行うものとすること。ただし,受講対象者が指定された指導密度の区分に応じた性犯罪再犯防止指導(調整プログラムの対象者に指定されている者については,調整プログラム)の本科を実施している刑事施設(以下「指導密度等対応施設」という。)における本科の開講時期,受講定員等からみて,特に必要と認めるときは,別表1の基準に基づかない移送を行うことができること。
(1)通常移送(調査センターから指導密度等対応施設へ移送し,又は調査センターか指導密度等対応施設である場合において,調査センターに引き続き収容するとことをいう。以下同じ。)
(2)一般移送(調査センターから指導密度等対応施設ではない刑事施設(以下「経由施設」という。)へ移送し,又は調査センターか経由施設である場合において,調査センターに引き続き収容することをいう。以下同じ。)
2調査センターにおいて再調査を行った者の移送について
処遇調査訓令第8条第2項の規定に基づき調査センターにおいて再調査を行った者のうち,受講対象者については,別表2の基準に基づき,次に掲げる移送を行うものとすること。ただし,指導密度等対応施設における本科の開講時期,受講定員等からみて,特に必要と認めるときは,別表2の基準に基づかない移送を行うことができること。
(1)通常移送
(2)還送(調査センターから指導密度等対応施設ではない移送元施設(調査センターヘ移送される前に収容されていた刑事施設をいう。以下同じ。)へ移送することをいう。以下同じ。)
3通常移送以外の方法で行う指導密度等対応施設への移送について
次に掲げる者については,別表3の基準に基づき,適当な時期に,その者が収容されている刑事施設から指導密度等対応施設への移送(以下「経由移送」という。)をすること。ただし,指導密度等対応施設における本科の開講時期,受講定員等からみて,特に必要と認めるときは,別表3の基準に基づかない時期に移送を行うことができること。
(1)一般移送により経由施設に収容されている者
(2)還送により移送元施設に収容されている者
(3)処遇調査訓令第7条の規定に基づく定期再調査若しくは臨時再調査又は平成18年5月23日付け法務省矯成第3309号矯正局長依命通達「受刑者の処遇調査に関する訓令の運用について」記の4の(4)に基づく他の刑事施設に調査センターの職員を派遣して行う再調査により受講対象者とされた者
4移送要領について
(1)通常移送
上記1又は2の規定による通常移送を行う場合は,平成18年5月23日付け法務省矯成第3316号矯正局長依命通達「受刑者の移送について」(以下「移送通達」という。)記の6の規定により矯正管区の長か定める管区内移送の基準に従って移送すること。ただし,次のアからエまでに掲げる場合は,別表4の「移送区分1」に基づき,管区外移送を行うこと。
ア受講対象者か収容されている刑事施設の所在地を管轄する矯正管区(以下「移送元管区」という。)に受講対象者の犯罪傾向の進度に対応した指導密度等対応施設がないこと。ただし,特に必要と認めるときは,受講対象者の犯罪傾向の進度に対応しない管区内の指導密度等対応施設に移送できること。
イ移送元管区内の指導密度等対応施設における受講対象者の処遇において,受講対象者の共犯者か収容されていること,受講対象者が最近収容されていたことなどの事情により,困難か予想されること。
ウ移送元管区内の指導密度等対応施設における本科の開講時期,受講定員等からみて,適切な時期に必要な指導を受講できる見込みかないこと。
エその他,指導実施上,特に必要が認められること。
(2)一般移送
上記1の規定による一般移送を行う場合は,R3以外に指定されている矯正処遇の種類及び内容などに基づき,矯正管区の長か定める管区内移送の基準に従って移送すること。ただし,性犯罪再犯防止指導のメンテナンスを実施していない刑事施設に移送してはならないこと。
(3)経由移送
矯正管区の長は,その管轄区域内に所在する刑事施設に収容されている上記3の(1)から(3)までに掲げる者について,その名簿を一元管理し,別表3の基準に基づき,適当な時期に,管区内移送の基準に従って,移送すること。ただし,上記(1)のアからェまでに掲げる場合は,別表4の「移送区分2」に基づき,管区外移送を行うこと。
(4)管区外移送
移送元管区の長は,あらかじめ,別表4に基づく通常移送及び経由移送の移送先となる矯正管区の長と協議し,管区外移送の円滑な実施に必要な事項を定めること。
5本科受講終了後の移送等について
(1)指導密度等対応施設において本科の受講を終了した受講対象者については,次のアからウまでに掲げる者の区分に応じ,それぞれ当該アからウまでに定める刑事施設に移送すること。
ア上記1の規定により通常移送された者通常移送される前に収容されていた調査センターの移送区分に基づき,管区外移送を伴う場合は移送通達記の5の(2)に定める施設長協議移送の手続により,また,管区内移送の場合は矯正管区の長が定める手続により,適当な刑事施設へ移送すること。
イ上記2の規定により通常移送された者通常移送される前に収容されていた調査センターに移送される前に収容されていた移送元施設
ウ上記3の規定により経由移送された者経由移送される前に収容されていた刑事施設
(2)上記(1)の規定にかかわらず,上記(1)のイ又はウに掲げる者について,処遇指標に変更かあったことその他の理由により当該イ又はウに定める刑事施設への移送が不適当と認められるときは,当該刑事施設以外の刑事施設へ移送することかできること。
(3)上記(1)の規定にかかわらず,残刑期か短いこと,指導密度等対応施設か本人の処遇指標に対応していることその他の理由により引き続き指導密度等対応施設に収容することか適当と認められる場合は,移送しないことができること。
6指導密度等対応施設に収容されている受講対象者の本科受講終了前の移送について
(1)指導密度等対応施設に収容されている受講対象者について,゛その施設における指導の開講時期及び受講定員等からみて,適切な時期に必要な指導を受講できないことか明らかになった場合は,当該指導密度等対応施設を経由施設とみなし,上記4の(3)の要領で他の指導密度等対応施設に移送することができること。
(2)指導密度等対応施設に収容されている受講対象者ついて,本科受講前又は受講中に,受講意欲が著しく低下したこと,疾病にかかぅたために医療上の措置を執る必要かあることその他の本科の受講を困難又は不適当とする事情が生じた場合は,上記5に準じて,移送することができること。この場合において,当該事情かなくなったときは,上記3の(1)から(3)までに掲げる者に準じて,指導密度等対応施設に移送すること。
(3)指導密度等対応施設の長は,上記(2)の移送を行う場合は,矯正管区の長に申請し,その認可を得ること。