児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

被害児童2名が描写されたUSBの1項提供罪は単純一罪(仙台高裁H22.11.30)

 包括一罪というかと思いましたが。

論旨は,要するに,原判示第5については,USBメモリに記録された原判示第1及び第3の各被害児童毎に児童ポルノ提供罪が成立するところ,その提供行為は1回であって,結局は,両罪は観念的競合となるから,これを一罪とした原判決には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがある,というのである。
しかしながら,児童ポルノとは,写真,電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって,たとえ,当該記録媒体等に複数の児童に係る画像データが含まれているとしても,当該児童ポルノを特定の者に対して1回提供する行為については,児童ポルノ提供罪一罪のみが成立すると解されるから,原判決に所論のいうような法令適用の誤りはなく,論旨は理由がない。