児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

脅迫して撮影送信させる行為は強要罪(+3項製造罪)であって強制わいせつ罪ではない(広島高裁岡山支部H22.12.15)

 含蓄がある判決なので関係者は岡山地検に判決書を取り寄せてください。
 こういう事案は強制わいせつ罪(告訴なし)じゃないかという論点なんですが、要するに、強制わいせつ罪は傾向犯であって「性的意図」が構成要件であるところ、訴因でその主張がないので、強制わいせつ罪(告訴なし)の主張は、訴因外事実の主張であるというのです。 
 証拠上、性欲を満たすためという性的意図があって、判決の量刑理由にもあるんですが、それでも強制わいせつ罪ではないと。
 これが平成22年の判例です。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101006-00000301-mailo-l44
容疑者(22)を児童買春・ポルノ禁止法違反(単純製造)と強要の疑いで逮捕した。容疑を認めているという。
 容疑は、9月12〜14日、携帯のゲームサイトで知り合った県内の女子中学生(14)を脅して計約20回にわたり裸の写真を自分の携帯電話に送信させたとされる。

神戸地裁H21.12.10
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20100406170426.pdf
判年月日 平成21年12月10日 裁判所名 神戸地裁 裁判区分 判決
事件番号 平20(わ)838号 ・ 平20(わ)1247号
事件名 強姦、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反、強要被告事件
第4 (平成20年12月9日付け起訴状記載の公訴事実第1の3関係)
 同児童を強要して児童ポルノを製造しようと企て,平成19年6月11日ころ,同児童(当時12歳)が18歳に満たない者であることを知りながら,上記のとおり同児童が極度に畏怖しているのに乗じて,同児童に対し,電子メールにより,「何か挟んで撮れ。」などと申し向けて脅迫し,同児童をして,これに応じなければ自己の自由,身体等にいかなる危害を加えられるかもしれない旨さらに畏怖させ,よって,同児童をして,同日午後零時46分ころから同日午後5時35分ころまでの間,別表番号12ないし22のとおり,被告人方において,全裸で両乳房の間や陰部に物を挟んだ姿態等をとらせ,これを同児童の携帯電話機内蔵のデジタルカメラで撮影させ,そのころ,その画像を被告人の携帯電話機に送信させ,上記マイクロSDカードに上記画像データ11ファイルを保存して記録し,もって,同児童に義務なきことを行わせるととともに,児童ポルノを製造した,