児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童ポルノ禁止法違反容疑、43歳男を逮捕 福岡

 強制わいせつ罪後段と3項製造罪の観念的競合の事案であるということはさておき、2名を1画像に写していると、2名分が観念的競合になる可能性があります。実刑の危険がある場合は、弁護人はその辺もチェックする。強制わいせつ罪という伝統的な犯罪の解釈が、特別法でぐちゃぐちゃにされないように。

http://www.asahi.com/national/update/0808/TKY201008080101.html
戸畑署によると、容疑者は3月21日午前10時半から11時ごろの間、同市小倉北区内の公園で遊んでいた3歳と5歳の姉妹に「100円あげるから」などと声をかけ、近くに止めたワゴン車内や雑居ビルの通路へ連れ回し、陰部を触らせ、携帯電話のカメラで写真を撮影した疑いが持たれている。
 現場の公園で起きた子どもへの声かけ事件を捜査していた同署が任意で容疑者を調べていたところ、携帯電話から女児らを撮影した写真が出てきたという。

 5歳くらいになると甘言で誘うことも可能でしょうが、この場合の「100円あげる」を「対償供与の約束」とすることはできません。性行為の意味を理解していないので「性行為の対価」と評価できないからです。
 6歳、7歳、8歳、9歳、10歳と考えていくと、13歳未満までは同様であって、児童買春罪は成立しないと考えています。判例(大阪高裁・名古屋高裁金沢支部)は反対です。