法政書房が休みなので、読んでません。
豊田説は観念的競合ですか?
併合罪説の弁護人の悪口書いていいですよ。判示からはそこまでわかんないか。
論題 最新判例演習室 刑法 児童淫行罪と児童ポルノ製造罪の罪数関係[最高裁平成21.10.21決定]
著者 豊田 兼彦(トヨタ カネヒコ)
雑誌名 法学セミナー
出版者・編者 日本評論社
巻号・年月日 55(1) (通号 661) [2010.1]
ページ 131
児童淫行罪と児童ポルノ製造罪とが観念的競合の関係にあるとすると、両者を家庭裁判所で審理できる。これに対し、併合罪だとすると、児童ポルノ製造罪については別に地方裁判所で審理することとなり、審理期間が不当に長くなるなどの不利益が生じかねない。下級審が両者を観念的競合としてきた背景には、こうした事情があったのかもしれない。しかし、平成20年改正で少年法37条は削除され、児童淫行罪も地方裁判所で取り扱われることとなり、事情が変わった。このことも、本決定の判断に影響した可能性がある。
というのは実務を知らない人のいうことで、実際には、地裁家裁に同時に起訴されて同時進行しますので、長くなることはありません。
児童ポルノ罪に限らず、覚醒剤とか強姦罪とかも含めて、家裁・地裁に泣き別れになった場合の量刑の不都合は裁判官の論稿や裁判例でしばしば指摘されてきたところで、
池本壽美子「児童の性的虐待と刑事法」判例タイムズ1081号
植村立郎「司法改革期における少年法に関する若干の考察ー少年法37条の削除についてー」判例タイムズ1197号
原田國男「量刑判断の実際」第3版P196
東京高裁H17.12.26
東京高裁H18.1.10
東京高裁H18.1.23
東京高裁h18.3.6
児童福祉法と重複するか接する行為を地裁で裁くとする児童ポルノ・児童買春法ができて、不都合のストレスに耐えきれなくなって、最高裁から少年法37条廃止の声が上がったのです。
児童ポルノ・児童買春法の立法者が事物管轄に配慮しなかったために、少年法が改正を余儀なくされたということです。