児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

前ミュンヘン大学教授クラウス・ロクシン・山中友理〈訳〉「所持犯」刑事法ジャーナル20号

 ドイツではこの辺に処罰根拠を求めるようです。

第lに、違法薬物の所持とは異なり、占有している事物の譲渡を避けることを第1目的としていないことは明白である。 というのは、譲受人が侵害されるわけではなく、重大な児童虐待はすでに起こってしまっているからである。
しかしこの犯罪は、「継承犯(Anschlusstat)」(35)であると理解することができる。つまり、盗品罪に関連し、犯罪庇護とつながり、「児竜ポルノの作成の支援」に位置付けられる独立した犯罪体系であるとされる。「市場」の根絶という目的が可罰性を正当化した薬物の所持の場合とは異なり、ぼんやりして捉えることのできない商業的なネットワークの阻止という観点からではなく、若い人の性的虐待の具体的な重いケースを避けることが大事であるとされる。
盗品罪との近似性からいうと:Schroeder(36)は、今日では「盗品罪の処罰根拠が、いずれにせよ主として、盗品罪が財産に対する犯罪を行うそそのかしとなる点にあるということが認められている」というテーゼから出発する。同様に、児童ポルノを所持したいという願望は、作成のきっかけを与えるというのである。
児童ポルノ所持の構成要件は、犯罪庇護にも似た要素をももっている(37)。というのは、文書の譲受人と所持者が、通常そうであるように、対価を払って文書を譲り受けたならば、作成者が犯罪によって利益を得ることに加担したことになるからである。