児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

罰金併科可能な場合は、原則として罰金を併科すべきである(福岡高裁H21.1.9)

 児童ポルノ提供罪にも当てはまるんでしょうか?売り上げを基準にして併科の罰金額決めてますよね。
 

福岡高裁H21.1.9
(児童雇用のデリヘル事案)
 一審判決は実質的に金銭的利得なしと認定し、罰金を併科しなかった。
 しかし罰金併科の趣旨は財産的苦痛によって経済的にも引き合わないことを感銘させることにより、一般予防・特別予防の見地から利欲的動機による犯行抑圧しようとするものである。
 この趣旨からは 没収や追徴のように犯行による利益を剥奪することを目的とするものではないから、現実に経済的利益がない・少ないことを理由に罰金併科すべきでないということはできない
 従って 罰金併科の規定がある場合 利欲的動機による犯行に対しては、利欲性がきわめて薄弱である場合なとの特段の事情がある場合を除き 原則として罰金を併科するのが相当であり、児童淫行罪もこれに当てはまる。

児童福祉法
第60条
第三十四条第一項第六号の規定に違反した者は、十年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
②第三十四条第一項第一号から第五号まで又は第七号から第九号までの規定に違反した者は、三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
③第三十四条第二項の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律
第6条(児童買春勧誘)
1 児童買春の周旋をする目的で、人に児童買春をするように勧誘した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の目的で、人に児童買春をするように勧誘することを業とした者は、七年以下の懲役及び千万円以下の罰金に処する。
第7条(児童ポルノ提供等)
4 児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を不特定又は多数の者に提供した者も、同様とする。
5 前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。
6 第四項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを外国に輸入し、又は外国から輸出した日本国民も、同項と同様とする。