児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

最判H21.10.16被告人の検察官調書を取り調べなかった第1審の訴訟手続について,任意性に関する主張立証を十分にさせなかった審理不尽の違法があるとした控訴審判決が,刑訴法294条,379条,刑訴規則208条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例

 差し戻されたときは、弁論再開して続審という感じですね。

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20091016161805.pdf
原審弁護人井上明彦,同神原多恵の事件受理申立て理由について
1 原審弁護人らの所論は,上告受理申立理由書「第4」記載のとおりであるところ,その趣旨は,要するに,被告人の検察官調書について,検察官の証拠調べ請求を却下した第1審裁判所の手続は相当であるにもかかわらず,原判決は,これらの調書が強制わいせつ致死,殺人の犯行場所を確定するため取調べの必要性が高く,検察官及び弁護人にその任意性について主張,立証の機会を与えないまま証拠調べ請求を却下したことに訴訟手続の法令違反があるとした点において,法令解釈を誤ったものであるから,その破棄を求めるというものと解される。そこで,検討する。
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4 しかしながら,原判決は,刑訴法294条,379条,刑訴規則208条の
解釈適用を誤ったものであって,刑訴法411条1号により破棄を免れない。その理由は,以下のとおりである。
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⑶ 以上の訴訟経過からすれば,本件検察官調書の取調べに関し,第1審裁判所に釈明義務を認め,検察官に対し,任意性立証の機会を与えなかったことが審理不尽であるとして第1審判決を破棄し,本件を第1審裁判所に差し戻した原判決は,第1次的に第1審裁判所の合理的裁量にゆだねられた証拠の採否について,当事者からの主張もないのに,前記審理不尽の違法を認めた点において,刑訴法294条,379条,刑訴規則208条の解釈適用を誤った違法があり,これが判決に影響を及ぼすことは明らかであって,原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものと認められる。
よって,弁護人のその余の上告趣意に対する判断を省略して,刑訴法411条1号により原判決を破棄し,同法413条本文に従い,本件を原審である広島高等裁判所に差し戻すこととし,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。