被害児童は警察官にも年齢ごまかしますから。
しかし、買春犯人とのやりとりの調書になると「最初から正直に年齢を告げました」となってくるので、要注意。
実録事件捜査と人間模様・第43回嘆きあれこれ(捜査研究693号)
「福祉犯被害少女の供述」
家出少女の保護
早朝の午前六時ころ、B市のB警察署の少年係主任と係員の二名が、飲食店街を徒歩でパトロールしていると、中学生と思われる少女が一人で歩いていた。彼女は手荷物もなく、飲食店の看板などを見ながら、何かを探しているような感じだった。
早速、職務質問をすると、身長は一六〇センチくらいあるが、顔はあどけなく、どう見ても十五歳前と思われた。型どおりのことを聞くと
F県T市M町 無職 山川A子 十八歳
と、よどみなく答えた。このような場合、時刻、場所的に、あまりにもスムーズに返答するのは要注意である。
近くの交番に案内して、身上などを詳細に聞くと、最初は年齢を偽っていたが、本当は、
T市立N中学校三年生 十四歳
と判明した。さらに現在、家庭裁判所の試験観察中になっているのに、家出をして、この街へ来て仕事を探しているとのことだった。