児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

強姦否認事件の量刑理由(名古屋地裁H20.3.10)

 内容は事件ごとに違いますが、項目はほぼ一緒です。

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090218083626.pdf
2 本件犯行は,見ず知らずの被害者をはさみを示して脅すというものであり,被告人は,自己の性欲を満足させるためだけに,女性の人格を無視した卑劣な犯行に及んでいる。
被害者は,帰宅途中に,突如,被告人から襲われ,「殺すぞ」などと脅された上,はさみを示されるなどの脅迫に遭い,口淫させられた上,強姦されている。被害者が感じた恐怖は相当なものであり,本件被害によって,被害者の感じたであろう肉体的苦痛,精神的苦痛は,計り知れないものがある。しかも,被害者は,自宅近くで被害に遭っており,被害現場の近くを通るたびに,被害のことを思い出すと供述しており,犯行後にも被害者の心に重大な傷跡が残ってしまっている。それにもかかわらず,被告人は,被害者に対し,何ら慰謝の措置を講じていない。被害者は,被告人をなるべく長い間,刑務所に入れてくださいと供述しているが,そのような被害感情を持つことは当然である。
しかも,被告人は,本件犯行を行ったことを強く否認するなど,反省の態度は全く見られない。
以上からすれば,被告人の刑事責任には,重いものがある。
そうすると,被告人が犯行時22歳と若いことなど,被告人のために酌むことのできる事情を最大限に考慮しても,被告人を主文の刑に処するのが相当である。