児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

嫌疑なし不起訴

 「嫌疑なし」は珍しいですよね。別件を意識して。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080620-00000038-yom-soci
乗組員らは会社から許可を得たうえで肉を自宅に発送するなどしていた。同地検は「会社に無断で自分のものにした訳ではなく、業務上横領は成立しない」としている。

検察講義案h18版p84
(3)犯罪の嫌疑がない場合
ア 嫌疑なし
被疑事実につき,被疑者がその行為者でないことが明白なとき,又は犯罪の成否を認定すべき証拠のないことが明白なときにする処分をいう。
すなわち,被疑者が人違いであることが明白になったとき,又は被疑者がその行為者であるかどうか,若しくは被疑者の行為が犯罪に当たるかどうかの点について認定すべき証拠がないことが明白になったときには,「嫌疑なし」と裁定する。
イ 嫌疑不十分
被疑事実につき,犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分なときにする処分をいう。すなわち,被疑者がその行為者であることにつき,又はその行為が犯罪に当たることにつき,これを認定すべき証拠が不十分な場合は,「嫌疑不十分」と裁定する。

犯罪白書h19
第3節
被疑事件の処理
 検察官の行う起訴処分には,公判請求のほか略式命令請求があり,不起訴処分には,①訴訟条件を欠くことを理由とするもの(親告罪の告訴の欠如・取消し等),②事件が罪にならないことを理由とするもの(心神喪失等),③犯罪の嫌疑が認められないことを理由とするもの(嫌疑なし,嫌疑不十分)のほか,④犯罪の嫌疑が認められる場合でも,犯人の性格,年齢及び境遇,犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときに行う起訴猶予処分等がある。

 不起訴処分を受けた者(交通関係業過及び道交違反を除く。)の理由別人員(最近10年間)は,2‐2‐3‐3表のとおりである。
 平成18年において,起訴猶予により不起訴処分とされた者の比率は,10年前の9年と比較して約17ポイント低下したのに対し,「嫌疑なし・嫌疑不十分」により不起訴処分とされた者の比率は,約16ポイント上昇した。