児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

わいせつ行為の東海中学元教諭に実刑(名古屋地裁H20.1.31)

 地裁だとすると、罪名は青少年条例違反(強制わいせつ罪)になります。
 実刑はいいとして、こんなのは児童福祉法違反(淫行させる行為・児童淫行罪)の方がしっくり来ますよね。
 判決理由にあるように「師弟関係をバックに強要した」というと、もろに児童淫行罪の評価ですから、これは地裁では裁けないはずです。
 たぶん、常識的に併合罪処理していると思いますが、意外にも数回の青少年条例違反は包括一罪だという金沢支部の判決があって、判例違反ですね。

中京テレビ 2008-01-31 19:25
http://www.ctv.co.jp/news/local/news_loc.html?id=11672
少女にみだらな行為を繰り返していた名古屋の「東海中学」の元教諭に懲役1年4か月の 実刑判決が言い渡された。
判決を受けた東海中学の元教諭・被告(39)は昨年6月、自分が顧問を務める 学外サークルに所属していた17歳の女子高校生にみだらな行為をしたもの。被告は、この少女が中学生だった頃に知り合い、4年にわたり性的な関係を強要していた。
名古屋地裁は「自己の立場を利用し、卑劣さは顕著だ」などと指摘、被告に懲役1年 4か月の実刑判決を言い渡した。

この辺の判例が乱れているので、あとから出た判決は全部判例違反ですよ。知らぬが仏で。
 誤りのない法令適用でちゃんと裁いてやれよというのが奥村弁護士の立場。

追記
 続報がありますが、地裁の青少年条例違反2罪のようですね。

育成条例違反:女子高生にわいせつ行為、元中学教諭に実刑−−名地裁判決
2008.02.01 毎日新聞社
 学外サークルの教え子だった名古屋市内の女子高生(当時17歳)にみだらな行為をしたとして、愛知県青少年保護育成条例違反の罪に問われた被告(39)の判決公判が31日、名古屋地裁であった。池田信彦裁判官は「性欲を満たすために要求に応じるよう追い込んでおり卑劣」として懲役1年4月(求刑・懲役1年6月)の実刑を言い渡した。
判決などによると、被告は05年11月に自宅で、昨年6月には同県日進市のホテルで、女子高生が18歳未満と知りながらわいせつ行為をした。
嫌悪を感じた女子高生は昨年7月、自宅で自傷行為をしたが、被告に脅され中学2年から4年にわたり関係を強要されたという。

元東海中教諭に実刑 名地裁判決 少女にみだらな行為
2008.02.01 中日新聞社
 顧問を務めていた私立中学・高校生のサークルで知り合った女子生徒にみだらな行為をしたとして、愛知県青少年保護育成条例違反の罪に問われた元東海中学校教諭(39)の判決公判が三十一日、名古屋地裁で開かれ、池田信彦裁判官は、懲役一年四月(求刑懲役一年六月)を言い渡した。
 判決理由で池田裁判官は「顧問の立場を利用して、サークルの女子生徒に求めに応じさせていた卑劣さは顕著。一人で耐えてきた被害者の処罰感情も強い」と述べた。

http://www.som.pref.aichi.jp/d1w_reiki/33690101001300000000/41990101004800000000/41990101004800000000_j.html
愛知県青少年保護育成条例
(いん行、わいせつ行為の禁止)
第十四条 何人も、青少年に対して、いん行又はわいせつ行為をしてはならない。
2 何人も、青少年に対して、前項の行為を教え、又は見せてはならない。
全部改正〔昭和五二年条例八号〕、一部改正〔平成九年条例九号〕
第二十九条 第十四条第一項の規定に違反した者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。