福祉犯のおとり捜査に限ると、出会い系でおとり捜査官が児童になりすまして誘引行為したとして、それは犯罪かもしれないんですが(真意がないから誘引罪にならないような気がしますが)、それに応じるのは犯罪じゃないわけで、待ち合わせに出てきた相手をその場で逮捕することはできませんね。
せいぜい、職務質問して、携帯電話を任意提出させて、過去の福祉犯で検挙するしかできない。この程度なら、いままででもやっているんですが、それでもこの検挙実績。
そこから先というのは、おとりの児童(本物)を立てないと進めませんよね。これはできない。
福祉犯以外について、闇サイトの犯罪勧誘に入り込むのは、「おとり」というより、潜入捜査。捜査員が殺人の謀議に関与して、実行直前に逮捕するっていうんですか?犯意誘発型?
社説 〔「闇サイト」摘発〕 おとり捜査も必要では 2008.01.18
出会い系サイトの規制を強化する法案が通常国会に提出されるのを機に、捜査当局にぜひ検討してほしいのは、インターネット上で犯罪仲間を募集するいわゆる「闇サイト」に対する取り締まりの強化である。現行の法律では、たとえば殺人や窃盗の仲間を勧誘する書き込みをしても摘発されることはなく、事実上野放しになっている。こうした反社会的なサイトを規制するのが難しいなら、「おとり捜査」と呼ばれる捜査手法を活用してはどうか。おとり捜査については、四年前の最高裁判決で、「通常の捜査方法のみでは犯罪の摘発が困難な場合」に限り、「機会があれば犯罪を行う意思があると疑われるものを対象に」行うことは許されるという判断が示された。闇サイトの摘発は、この条件に当てはまると思われる。犯罪行為の誘いにのったふりをして、実行直前に摘発する捜査を定期的に行えば、闇サイトは機能停止に追い込まれるだろう。
昨年夏、闇サイトで出会った三人の男が名古屋市で女性を拉致し、ハンマーで殴るなどして殺害した事件があった。自殺サイトに絡んだ殺人事件も後を絶たない。こうした犯罪を減らすために、おとり捜査を積極的に使ってほしい。
出会い系サイトの規制については、サイトの運営を届け出制とし、利用者の年齢確認を強化する方向という。出会い系サイトで性犯罪などに巻き込まれた被害者の85%は、十八歳未満であり、規制強化は必要だろう。だが、いくら規制を厳しくしても、犯罪抑止には限界がある。おとり捜査の手法は、出会い系サイトの規制でも威力を発揮するはずだ。
おとり捜査は、捜査員や捜査協力者が「おとり」となり、容疑者とみられる人物に犯罪を行う機会を与え、犯罪行為を確認して摘発する捜査手法である。麻薬取締法は、麻薬取締官におとり捜査を認めているものの、麻薬以外で、おとり捜査を認める法律の規定はない。
むろん、国家が犯罪をつくり出し、国民を罪に陥れる危険性も否定できないから、おとり捜査の実施には、石橋をたたく慎重さが求められる。運用規定をきちんと整備したうえで、犯罪抑止に役立てたい。