児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

判決言い直し:求刑より重い、と指摘受け 奈良地裁裁判官

 言い渡しが終わってないようです。
 弁護人は何も言わないですよ。
 求刑なんて検察官の意見にすぎないから、そこで文句言ってもしょうがないと思いますよね。
 

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20070308k0000m040177000c.html
奈良地裁で7日にあった刑事事件の判決公判で、裁判官が求刑より重い量刑を言い渡し、検察官の指摘で言い直した。求刑内容を勘違いしていたという。井戸田侃(あきら)・立命館大名誉教授(刑事法)は「検察官の示唆で裁判官が判決を変えることは、まずない。判決を簡単に変えてしまっては、裁判への信頼が失われる」とあきれている。
賭博開張図利ほう助の罪に問われた無職の男(46)が被告。起訴状では、男は昨年11月 奈良市内でトランプカードなどを使って金銭を賭ける「バカラ賭博」の仕切り役を務めるなどした。求刑は懲役1年だったが、裁判官は主文で懲役1年6月、執行猶予4年を言い渡した。
最後に裁判官は「二度としないでください」と説諭。被告の男は「ありがとうございました」 と頭を下げ、裁判は閉廷になるはずだった。ところが求刑より重かったため、閉廷直前に 検察官が裁判官席に歩み寄り、求刑内容が書かれた書類を示した。
その直後に、裁判官は改めて「懲役1年、執行猶予4年」と言い直した。

第186条(常習賭博及び賭博場開張等図利)
常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する。
2 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

 奈良地裁奈良家裁には、ハメ撮り事件の児童淫行罪と児童ポルノ製造罪の罪数処理について、観念的競合とした判決と併合罪とした判決があって(検察官が観念的競合で起訴したら観念的競合、併合罪で起訴したら併合罪)、それが、高裁レベルで見解が分かれる原因となっています。
   製造罪と提供罪は牽連犯。
   数回の製造罪は被害児童の人数に関係なく包括一罪。
   数回の児童ポルノ提供罪は包括一罪。
という判決もあって、法令適用がいいかげんな感じがします。