児童ポルノ・児童買春のフルコース。罪数処理が気になります。
執行猶予の限界。
慰謝の措置を講じようにも、外国にいて、被害児童の所在が掴みにくいのが弁護人として辛い。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070306-00000190-jij-soci
カンボジアで少女を買春し、撮影した画像をホームページ(HP)で公開したとして、児童買春・ポルノ処罰法違反などの罪に問われた被告(28)に対し、神戸地裁の的場純男裁判官は6日、懲役3年、執行猶予4年(求刑懲役3年)の判決を言い渡した。
的場裁判官は「海外に出掛け児童買春にふけるなど言語道断で、国際社会でのわが国の恥というべき犯罪だ」と批判した。
「国の恥」というのは、その通りで、国外犯ではおなじみの量刑理由。
例えば、こういう裁判例がある。
大阪高裁H14.11.1
肉体的,精神的に未成熟な被害少女らの心身に与えた悪影響には多大なものが窺われ,結果も到底軽視できない。外国に行って貧しい国の少女を対象にするのであれば,さしたる良心の呵責もなく思うままに買春できると考え,少なくない金の威力を借りて本件各犯行に及んだのは,卑しい根性といわざるを得ず,国際的な恥でもある。この種事犯に対する厳正な対処が求められている状況の中で,そのことを認識しながら本件各犯行に及んだ被告人の刑事責任は重い。
起訴(11/)から判決(3/6)の審理期間をみるだけでも、この事件は実刑危険があるとして、弁護人もそれなりの対応をしたと推察します。
どんな主張をされたのかは知りませんが、買春したり製造したり持ち込んだり陳列したりすると、裁判所も量刑としては執行猶予にするにしても実刑にするにしても、罪数処理が大変です。
安易に実刑にして控訴されると、処断刑期の確定をおろそかにしたまま量刑してるのがバレてしまいます。そういう意味で児童ポルノ・児童買春罪については、「懲役3年執行猶予4〜5年」という抵抗線があって、悪質な犯人にとっては幸運です。
追記
被害弁償の努力が効いていますが、実刑相当事案で土俵際に追い込まれたときだけ、示談やってください。でないと、陳腐化して効果薄れるから。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070307-00000232-mailo-l28
的場純男裁判官は「海外で児童買春にふけるなど言語道断だが、少女に慰謝料を支払う準備をしている」と述べた。
判決によると、原被告は03年12月24日ごろ、カンボジア・プノンペンで、あっせん者に現金を渡す約束をし、少女(当時15歳)とわいせつな行為をした。04年3月21日ごろには、タイ・バンコクのインターネットカフェで、この少女の画像データをCDに記録して児童ポルノを製造。昨年1月、自分のホームページで不特定多数が閲覧できるようにした。
解読されるようなpassじゃだめなようです。MAC判決と同じような思想で共感しますが。
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000262442.shtml
弁護側は、画像の掲載について「パスワードがあり、公然と陳列したとはいえない」と主張していたが、同裁判官は「パスワードのヒントがHPに記載されており、多数の人が閲覧できた」として退けた。