児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

英国アスク刑務所の場合

 自白事件の裁判やってる間(保釈中とか)に、少しくらいできないのかと考えています。

http://www.chunichi.co.jp/00/kur/20070225/ftu_____kur_____000.shtml
同刑務所では、一般的な理解能力がある知能指数(IQ)80以上の受刑者を、再犯リスク(危険度)から三段階に分類。段階に応じた再犯防止プログラムを提供して、「なぜ」犯罪をしたかを理解させる。犯罪に至るまでには、「意思決定の鎖」と呼ばれる個々の状況とそれに応じた考えや感情、行動がある。その一つ一つを振り返らせるのだ。

 例えば女性に暴行した男の場合、「妻とのけんか」がことの始まりだった。男は「妻は嘘(うそ)つきで欺瞞(ぎまん)的」と考え、家を出てパブへ。そこで「女はみんな、嘘つきで欺瞞的だ」と怒りを募らせ、ビールを次々注文。

 入ってきた女性を見るや「いい女。セックスしたがってるだろう」「あいつとして、妻に思い知らせてやる」と復讐(ふくしゅう)する感情を抱き、誘った。女性は「イヤよ」と断ったが、男が外に出た後、女性を見掛け「チャンス」と犯行に及んだ…。

 こうした過程をすべて書きだし、「なぜ起きたか」「犯罪に結びつく危険な考えや行動はどれか」を理解させる。そして「女は嘘つき」といった考えを、「一度は信じてみよう」などと置き換えて、新しい考えと行動を身に付けていく。

 この過程で危険因子と照らし合わせるが、怒りと性的関心が同時にわき起こると性犯罪に結びつきやすいという。

 続いて、被害者に対する共感を呼び覚ます。犯行は「短い情動」にすぎず、被害者には「長期にわたる危害」だと理解できない受刑者が多いが、被害者の役を演じさせることで、気づかせていく。