児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

損害賠償請求に関し刑事手続の成果を利用する制度及び犯罪被害者等が刑事裁判に直接関与することのできる制度の新設等のための法整備について

 まあ、田舎の弁護士としては法改正に流されていくしかないわけです。
 やってみないと分かりませんが、「被害者参加人又はその委託を受けた弁護士の弁論」なんて、さすがに違法な求刑はできないでしょうが、量刑相場とか同種事案の求刑・科刑を知らないので、下手すると、みんな、法定刑を最大限加重した上限の刑(減軽事由の主張は否定する)を求めることになりますよね。求刑のインフレとか張り付き現象。
 それか、ある程度幅を持たせて量刑相場と量刑の要素を教えてもらわないと。

http://www.moj.go.jp/SHINGI2/070130-1-1.html
法制審議会刑事法(犯罪被害者関係)部会第8回会議(平成19年1月30日開催)において法制審議会(総会)へ報告することが決定された要綱(骨子)
   要綱(骨子)
第一  損害賠償請求に関し刑事手続の成果を利用する制度
 一  損害賠償の請求
  1  故意の犯罪行為により人を死傷させた罪、強制わいせつ及び強姦の罪、逮捕及び監禁の罪並びに略取、誘拐及び人身売買の罪等に係る被告事件の被害者又はその相続人は、当該被告事件の係属する地方裁判所に対し、その弁論終結前に限り、訴因を原因とする不法行為に基づく損害賠償の請求をすることができるものとすること。
  2  1の請求をしようとする者は、その趣旨並びに請求の原因となる訴因及び損害の内容を記載した書面を裁判所に提出しなければならないものとすること。
  3  裁判所は、2に規定する書面の提出を受けたときは、遅滞なく、当該書面の謄本を被告人に送達しなければならないものとすること。
  4  裁判所は、被告事件について無罪、免訴又は公訴棄却等の裁判をしたときは、決定で、1の請求を却下しなければならないものとすること。

  5  1の請求は、4の決定があったときは、当該決定の告知を受けた時から六月以内に裁判上の請求等をしなければ、時効の中断の効力を生じないものとすること。

  6  1の請求についての審理は、被告事件について終局裁判の告知があるまでは行わないものとすること。

  7  裁判長は、1の請求があった場合において、被告事件について公判期日を定めたときは、あらかじめ、これを当該請求をした者に通知しなければならないものとすること。

  8  1の請求に係る事件の当事者は、被告事件について終局裁判の告知があるまでに、当該請求について合意が成立した場合には、裁判所に対し、犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第四条に規定する申立てをすることができるものとすること。この場合において、当該合意を公判調書に記載したときは、その記載は、裁判上の和解と同一の効力を有するものとすること。
 二  審理及び裁判
  1  一の1の請求についての審理のための口頭弁論又は審尋は、被告事件について有罪の言渡しがあった後直ちに開始するものとすること。ただし、相当でないと認めるときは、裁判長は、当該言渡しがあった後速やかに、最初にすべき口頭弁論又は審尋の期日を定めなければならないものとすること。
  2  裁判長は、口頭弁論又は審尋の期日を定めたときは、一の1の請求に係る事件の当事者を呼び出さなければならないものとすること。
  3  一の1の請求については、特別の事情がある場合を除き、四回以内の期日において、審理を終結しなければならないものとすること。
  4  裁判所は、最初にすべき口頭弁論又は審尋の期日において、被告事件の訴訟記録を取り調べなければならないものとすること。
  5  一の1の請求についての裁判は、決定によるものとすること。この場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、担保を立てて、又は立てないで仮執行をすることができることを宣言することができるものとすること。
  6  5の決定は、主文及び理由の要旨を記載した決定書を作成して行わなければならないものとすること。
  7  一の1の請求に係る事件の当事者は、裁判所書記官に対し、当該事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は当該事件に関する事項の証明書の交付を請求することができるものとすること。ただし、当該記録中被告事件の訴訟記録に係る部分の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付の請求については、裁判所が許可したときに限り、することができるものとすること。

 三  通常の民事裁判所への移行
  1  裁判所は、最初の口頭弁論又は審尋を開始した後、一の1の請求についての審理に日時を要するため二の3に規定する期日において審理を終結することが困難であると認めるときは、申立てにより又は職権で、当該請求に係る事件を通常の民事裁判所に移行させることができるものとすること。
  2  一の1の請求をした者は、被告事件について終局裁判の告知があるまで、当該請求に係る事件を通常の民事裁判所に移行させる旨の申立てをすることができるものとすること。
  3  2に規定する場合のほか、一の1の請求に係る事件の当事者は、二の5の決定があるまで、相手方の同意を得て、当該事件を通常の民事裁判所に移行させる旨の申立てをすることができるものとすること。
  4  2又は3の申立てがあったときは、一の1の請求に係る事件は、通常の民事裁判所に移行するものとすること。
  5  1又は4の規定により一の1の請求に係る事件が通常の民事裁判所に移行したときは、当該請求があった時に、当該民事裁判所に訴えの提起があったものとみなすものとすること。この場合において、裁判所書記官は、当該民事裁判所の書記官に対し、当該事件に関する記録(当該記録中被告事件の訴訟記録に係る部分については、相当でないものを除く。)を送付しなければならないものとすること。
  6  5の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合における5の規定により送付された記録についての書証の申出は、民事訴訟法の規定にかかわらず、証拠とすべきものを特定することにより行うことができるものとすること。
 四  不服申立て
  1  一の1の請求に係る事件の当事者は、二の5の決定に対し、二の6の決定書の送達を受けた日から二週間以内に、裁判所に異議の申立てをすることができるものとすること。
  2  二の5の決定に対し適法な異議の申立てがあったときは、一の1の請求があった時に、通常の民事裁判所に訴えの提起があったものとみなすものとすること。この場合において、裁判所書記官は、当該民事裁判所の書記官に対し、当該請求に係る事件に関する記録(当該記録中被告事件の訴訟記録に係る部分については、相当でないものを除く。)を送付しなければならないものとすること。
  3  2の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合における2の規定により送付された記録についての書証の申出は、民事訴訟法の規定にかかわらず、証拠とすべきものを特定することにより行うことができるものとすること。
  4  二の5の決定に対し適法な異議の申立てがあったときは、当該決定は、仮執行の宣言を付したものを除き、その効力を失うものとすること。
  5  二の5の決定に対し適法な異議の申立てがないときは、当該決定は、確定判決と同一の効力を有するものとすること。
第二  公判記録の閲覧及び謄写の範囲の拡大
 一  要件の緩和
 刑事被告事件の係属する裁判所は、第一回の公判期日後当該被告事件の終結までの間において、当該被告事件の被害者等(被害者又は被害者が死亡した場合若しくはその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹をいう。以下同じ。)若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から、当該被告事件の訴訟記録の閲覧又は謄写の申出があるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、閲覧若しくは謄写を求める理由が正当でないと認める場合又は犯罪の性質、審理の状況その他の事情を考慮して相当でないと認める場合を除き、申出をした者にその閲覧又は謄写をさせるものとすること。
 二  対象者の拡充
  1  刑事被告事件の係属する裁判所は、第一回の公判期日後当該被告事件の終結までの間において、次のイからニまでのいずれかに該当する者から、当該被告事件の訴訟記録の閲覧又は謄写の申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、イ又はロに掲げる者の損害賠償請求権の行使のために必要があると認める場合であって、犯罪の性質、審理の状況その他の事情を考慮して相当と認めるときは、申出をした者にその閲覧又は謄写をさせることができるものとすること。
   イ  被告人又は共犯により被告事件に係る犯罪行為と同様の態様で継続的に又は反復して行われたこれと同一又は同種の罪の犯罪行為の被害者
   ロ  イに掲げる者が死亡した場合又はその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹
   ハ  イに掲げる者の法定代理人
   ニ  イからハまでに掲げる者から委託を受けた弁護士
  2  1の申出は、検察官を経由してしなければならないものとすること。この場合においては、1のイからニまでに掲げる者に該当することを疎明する資料を提出するものとすること。
  3  検察官は、1の申出があったときは、意見を付し、かつ、2の規定により提出を受けた資料があるときはこれを添え、裁判所に送付するものとすること。
第三  犯罪被害者等に関する情報の保護
 一  公開の法廷において性犯罪等の被害者の氏名等を明らかにしないようにする制度
  1  裁判所は、次に掲げる事件を取り扱う場合において、当該被告事件の被害者等若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、被害者特定事項(当該事件の被害者の氏名又は住所その他その者が当該事件の被害者であることを特定させることとなる事項をいう。以下同じ。)を公開の法廷で明らかにしない旨の決定をすることができるものとすること。
   イ  刑法第百七十六条から第百七十八条の二まで若しくは第百八十一条の罪、同法第二百二十五条若しくは第二百二十六条の二第三項の罪(わいせつ又は結婚の目的に係る部分に限る。以下同じ。)、同法第二百二十七条第一項(第二百二十五条又は第二百二十六条の二第三項の罪を犯した者を幇助する目的に係る部分に限る。)若しくは第三項(わいせつの目的に係る部分に限る。)若しくは第二百四十一条の罪又はこれらの罪の未遂罪に係る事件
   ロ  児童福祉法第六十条第一項の罪若しくは同法第三十四条第一項第九号に係る同法第六十条第二項の罪又は児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律第四条から第八条までの罪に係る事件
   ハ  イ及びロに掲げる事件のほか、犯行の態様、被害の状況その他の事情により、被害者特定事項が公開の法廷で明らかにされることにより被害者等の名誉又は社会生活の平穏が著しく害されるおそれがあると認められる事件
  2  1の申出は、あらかじめ、検察官にしなければならないものとすること。この場合において、検察官は、意見を付して、これを裁判所に通知するものとすること。
  3  裁判所は、1のイからハまでに掲げる事件のほか、犯行の態様、被害の状況その他の事情により、被害者特定事項が公開の法廷で明らかにされることにより被害者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認められる事件を取り扱う場合において、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、被害者特定事項を公開の法廷で明らかにしない旨の決定をすることができるものとすること。
  4  1又は3の決定があったときは、刑事訴訟法第二百九十一条の規定による起訴状の朗読並びに同法第三百五条第一項及び第二項の規定による証拠書類の朗読については、これらの規定にかかわらず、被害者特定事項を明らかにしない方法により行うものとすること。
  5  裁判長は、1又は3の決定があった場合において、訴訟関係人のする尋問(被告人の供述を求める行為を含む。以下この項において同じ。)又は陳述が被害者特定事項にわたるときは、これを制限することができるものとすること。ただし、尋問又は陳述を制限することにより、犯罪の証明に重大な支障を生ずるおそれがあるとき又は被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでないものとすること。
 二  証拠開示の際に、相手方に対して、性犯罪等の被害者の氏名等が関係者に知られないようにすることを求めることができる制度
  1  検察官は、刑事訴訟法第二百九十九条第一項の規定により証人の氏名及び住居を知る機会を与え又は証拠書類若しくは証拠物を閲覧する機会を与えるに当たり、被害者特定事項が明らかにされることにより、被害者等の名誉若しくは社会生活の平穏が著しく害されるおそれがあると認めるとき又は被害者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え若しくはこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認めるときは、弁護人に対し、その旨を告げ、被害者特定事項が、被告人の防御に関し必要がある場合を除き、被告人以外の者に知られないようにすることを求めることができるものとすること。被害者特定事項が明らかにされることにより、被害者等の名誉若しくは社会生活の平穏が著しく害されるおそれがあると認める場合又は被害者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え若しくはこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認める場合において、被害者特定事項のうち公訴事実として起訴状に記載された事項以外のものが、被告人の防御に関し必要がある場合を除き、被告人に知られないようにすることについても、同様とすること。
  2  1の規定は、検察官が刑事訴訟法第二編第三章第一節の二第一款第二目の規定による証拠の開示をする場合について準用するものとすること。
第四  犯罪被害者等が刑事裁判に直接関与することのできる制度
 一  被告事件の手続への被害者参加
  1  裁判所は、故意の犯罪行為により人を死傷させた罪、強制わいせつ及び強姦の罪、業務上過失致死傷等の罪、逮捕及び監禁の罪並びに略取、誘拐及び人身売買の罪等に係る被告事件の被害者等若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から、被告事件の手続に参加することの申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、犯罪の性質、被告人との関係その他の事情を考慮して相当と認めるときは、被害者等又は当該被害者の法定代理人が被告事件の手続に参加することを許すものとすること。
  2  1の申出は、あらかじめ、検察官にしなければならないものとすること。この場合において、検察官は、意見を付して、これを裁判所に通知するものとすること。
  3  1の許可を受けた者(以下「被害者参加人」という。)又はその委託を受けた弁護士は、公判期日に出席することができるものとすること。
  4  公判期日は、これを被害者参加人に通知しなければならないものとすること。
  5  裁判所は、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士が多数である場合において、必要があると認めるときは、その全員又は一部に対し、その中から、公判期日に出席する代表者を選定するよう求めることができるものとすること。
  6  裁判所は、審理の状況、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士の数その他の事情を考慮して、相当でないと認めるときは、公判期日の全部又は一部への出席を許さないことができるものとすること。
  7  3の規定により被害者参加人が公判期日に出席する場合において、裁判所は、付添い(刑事訴訟法第百五十七条の二)及び遮へい(同法第百五十七条の三)の措置を採ることができるものとすること。
  8  3から7までの規定は、公判準備においてする証人の尋問又は検証について準用するものとすること。
  9  裁判長は、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士のする二の1の規定による尋問、三の1の規定による質問又は四の1の規定による意見の陳述が法律上許されない事項にわたるときは、これを制限することができるものとすること。
  10  被害者参加人又はその委託を受けた弁護士は、検察官に対し、当該被告事件についての刑事訴訟法の規定による検察官の権限の行使に関し、意見を述べることができるものとすること。この場合において、検察官は、当該権限を行使し又は行使しないこととしたときは、必要に応じ、当該意見を述べた者に対し、その理由を説明しなければならないものとすること。
 二  証人の尋問
  1  裁判所は、証人を尋問する場合において、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士から、その者がその証人を尋問することの申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、審理の状況、申出に係る尋問事項の内容、申出をした者の数その他の事情を考慮して相当と認めるときは、情状に関する事項(犯罪事実に関するものを除く。)についての証人の供述の証明力を争うために必要な事項について、申出をした者がその証人を尋問することを許すものとすること。
  2  1の申出は、検察官の尋問が終わった後(検察官の尋問がないときは、被告人又は弁護人の尋問が終わった後)直ちに、尋問事項を明らかにして、検察官にしなければならないものとすること。この場合において、検察官は、当該事項について自ら尋問する場合を除き、意見を付して、これを裁判所に通知するものとすること。
  3  1の規定により被害者参加人が証人を尋問する場合において、裁判所は、付添い(刑事訴訟法第百五十七条の二)及び遮へい(同法第百五十七条の三)の措置を採ることができるものとすること。
 三  被告人に対する質問
  1  裁判所は、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士から、その者が被告人に対して質問を発することの申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士が刑事訴訟法第二百九十二条の二第一項又は四の1の規定による意見の陳述をするために必要があると認める場合であって、審理の状況、申出に係る質問を発する事項の内容、申出をした者の数その他の事情を考慮して相当と認めるときは、申出をした者が被告人に対して質問を発することを許すものとすること。
  2  1の申出は、あらかじめ、質問を発する事項を明らかにして、検察官にしなければならないものとすること。この場合において、検察官は、当該事項について自ら質問する場合を除き、意見を付して、これを裁判所に通知するものとすること。
  3  1の規定により被害者参加人が被告人に対して質問を発する場合において、裁判所は、付添い(刑事訴訟法第百五十七条の二)及び遮へい(同法第百五十七条の三)の措置を採ることができるものとすること。
 四  証拠調べが終わった後における弁論としての意見陳述
  1  刑事訴訟法第二百九十二条の二第一項に規定するもののほか、裁判所は、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士から、事実又は法律の適用について意見を陳述することの申出がある場合において、審理の状況、申出をした者の数その他の事情を考慮して相当と認めるときは、公判期日において、同法第二百九十三条第一項の規定による検察官の意見の陳述の後に、訴因として特定された事実の範囲内で、その意見を陳述することを許すものとすること。
  2  1の申出は、あらかじめ、陳述する意見の要旨を明らかにして、検察官にしなければならないものとすること。この場合において、検察官は、意見を付して、これを裁判所に通知するものとすること。
  3  1の規定による陳述は、証拠とはならないものとすること。
  4  1の規定により被害者参加人が意見を陳述する場合において、裁判所は、付添い(刑事訴訟法第百五十七条の二)及び遮へい(同法第百五十七条の三)の措置を採ることができるものとすること。


大阪弁護士会も反対だそうです。

http://www.osakaben.or.jp/web/03_speak/seimei/seimei070202.pdf
第三は、裁判員制度に与える影響である。刑事裁判は、客観的な証拠により犯罪事実の存否や量刑が決められるべきものであるところ、被害者や遺族は必ずしもすべての証拠を把握しているわけではなく、公益を代表する検察官とは立場が異なり、証拠に基づく訴訟活動を期待すること自体に無理があり、また、求刑においても、ほかの同種被告事件における求刑との均衡や公平を阻害する虞なしとしない。被害者・遺族の立場にたってみれば、重罰を求めるのはむしろ当然のことである。
裁判員制度の下においては、市民たる裁判員が職業裁判官と同等の立場で犯罪事実の認定と量刑を判断することになるが、証拠に基づかない被害者や遺族の主張、陳述、応報感情にもとづく意見表明が法廷でなされることにより、市民たる裁判員が混乱し、その影響を過度に受けて、量刑において過度に重罰化に傾くおそれが懸念される。
1月23日の京都地方裁判所における殺人事件の法廷において検察官の無期の求刑に対し、遺族が意見陳述において極刑を求め、それを聞いた被告人が「殺してください」といって錯乱状態になり退廷させられた事例が報道されたところである。
以上の理由により、本会は、刑事司法の適正な姿を変質させることになる「被害者参加制度」には反対せざるを得ない。特に裁判員制度が2 年後に開始される時期にあわせて制度が導入されることについては、今一度、被害者・遺族・被告人の地位に思いに至し、慎重かつ冷静な議論がなされることを強く求めるものである。
2007 年(平成19 年)2 月2 日
大 阪 弁 護 士 会