児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「児童買春罪数回(数罪)で逮捕。執行猶予か実刑か?」という弁護人からの質問

 よくありますが、判決書と引き替えに回答しています。
 前科無しと仮定しても、科刑状況は罰金〜実刑に散らばります。
 犯情によるんですよね。被害児童の年齢とか態様とか。
 具体的な事件に直面している弁護人に量刑分布のグラフ見せても無意味ですよね。
 過去の裁判例に見受けられる量刑理由を参考にして犯情の部分を聞き取らないと正確な予想はできません。奥村が弁護人でない場合は記録や被疑者・被告人にアクセスできないのでそこまではできません。
 実刑か執行猶予かがギリギリの事件の弁護人としては、多数罪の場合でも、なんとかして「執行猶予になる」という資料が欲しいので、
   なんとかして「児童買春罪n罪の事例は全部執行猶予だ」
   という意見書を書いてくれ
と頼まれることがありますが、1罪でも実刑になることもあれば、6罪でも罰金になることもあって、調べれば分かることですから、
   児童買春罪n罪で執行猶予がついた事件の科刑一覧表
程度の報告書を書くのがせいぜいです。
 しかし、裁判所は、量刑のプロだから、その程度の資料では動かないと思うんですよ。
 弁護人だったら一歩踏み込んで、限界事例において有利に考慮された事情を作り出すとか、不利に考慮された事情を減殺するとかして、

 多数回の事案で実刑か猶予を決める重要な事由・決定的な事由は○○である。本件では○○であることは明かである。
 本件の○○という事情は別事件(××地裁)では被告人に有利に評価されているから、本件でも同等に評価せよ
 別事件で被告人に不利に評価されている△△という事情は、本件では認められない・稀薄である。

という立証と主張をすべきだと思いますね。
 手っ取り早い方法としては、一審実刑控訴審で破棄減軽されている事件の、控訴審判決理由が使えます。