児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

調書の講義使用は「不可」 検察庁と法科大学院が対立

 「研修696号」ですね。
 これが検察庁の見解らしいです。

http://www.asahi.com/national/update/1104/TKY200611040289.html
クリニック開始後しばらくは閲覧、コピーに制限することなく検察側の証拠は開示されていた。しかし法務省関連の雑誌の6月号に「検察官から開示された証拠を法科大学院生に見せるのは違法」との解釈を示した東京高検検事の文章が掲載され、前後して運用が厳格になったようだ。

論題 開示証拠の目的外使用の禁止と法科大学院における教育との関係
著者 高崎 秀雄
雑誌名 研修
出版者・編者 誌友会研修編集部
巻号・年月日 (696) [2006.6]
ページ 31〜44

このように,条文の文理や立法経緯に照らしても,刑事訴訟法の解釈の問題として見れば,281条の4第1項各号の列挙が限定列挙であることは明らかであり,そこには教育・研究目的は挙げられていない。したがって,法理論上の問題としては,この教育目的論により,法科大学院の学生に対して開示証拠の複製等を提示する等の行為が正当化されることはないものと考えられる。
・・・・

ところで,実際に法科大学院の学生への提示等が行われてしまった場合には,同じ事件では同様の行為が行われる蓋然性が認められることになろうが,そのような場合に限らず,一般にそのような蓋然性が認められる場合において,これを未然に防止するための行動としてはどのようなことが考えられるであろうか。
防止すべきは開示証拠の複製等の提示等であるから,複製等を弁護士が入手できないようにすることが考えられ,そのためには証拠開示の方法を閲覧に限定するということになろう。