児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

名古屋高裁 過去5年で 控訴50%増

 刑務所に入るか入らないか、何年入るかという重大問題(死ぬか生きるかという事件も)だから、控訴して悪いことはない。
 忙しければ増員すればいいだけ。
 奥村の名古屋高裁(金沢支部含む)刑事での成績は原判決破棄2、控訴棄却2。
 成人の刑事事件では家裁に優しい裁判官がいて、軒並み検察官控訴されていたりします。

http://chubu.yomiuri.co.jp/news_top/060818_1.htm
刑事事件の1審判決を不服として控訴するケースが急増、名古屋高裁管内では過去5年で約50%も増加したことが分かった。刑法改正による重罰化に伴い、厳しい判決が言い渡され、被告側が刑の軽減を求めるケースが目立つ一方、1審の無罪判決が2審で覆されるなど、事実誤認が多いことも背景にあるとみられる。上訴は、被告に保障された権利だが、件数の増加で、高裁、高検の負担は増している。

 検察官の求刑基準については、緩いのが一応あるようですね。

154 - 参 - 法務委員会 - 3号 平成14年03月20日
福島瑞穂君 通達を、これは通達として正式に出ているもので、黒塗りが返ってきておりますので、済みません、情報公開、それから今後仮出獄の制度についての透明化を強く要求したいと思います。
 犯罪社会学会の報告書がありまして、現役の刑務所で働いている人が論文を書いています。これには、例えば、「犯罪にはもともと多くの暗数のあることが知られており、犯罪が増加しなくても、人々が増加したと信じて、警察力を増強し、より多くの犯罪者を検挙し、刑事司法機関が彼らをより厳罰に処せば、刑務所人口は増加するのである。」としています。
 過重収容を引き起こす要因についての分析なんですが、結論としてこういうふうに分析をされています。「結論としては、起訴率の上昇及び公判請求件数の増加が、新確定受刑者を増加させていること、また、言渡し刑期、特に覚せい剤の言渡し刑期の長期化が、収容期間の長期化をもたらしていることが明らかとなった。言渡し刑期は、検察官の求刑を受けて決定されるもので、執行猶予率に大きな変化が認められないことから考え、刑務所人口の増加の大きな原動力となっているのは、検察庁の姿勢の変化にあると考えられる。ただし、検察庁が何の理由もなく突然厳罰化することはあり得ず、世論の動向に検察庁が敏感に対応した結果生じたものと考えるのが自然である。」というふうにあります。
 検察庁の変化ということで量刑基準は変わったのでしょうか。例えば、具体的には覚せい剤一グラム所持の量刑などが内部の基準で変わったということはあるのでしょうか。

○政府参考人(古田佑紀君) 委員御案内のとおり、一般的に事件はそれぞれ個性がありまして、一般的な意味での量刑基準と、求刑基準というものはなくて、一つの目安というような意味でのものは、それは考えられるところでございます。
 ただ、その目安が変わったのかどうかというお尋ね、今あるわけでございますが、これはやはり、刑事司法と申しますのはその犯罪のコントロールと、これをどうしても考えなければならないことは事実でございまして、そういう観点から、一般予防という問題、さらには何回も繰り返してやっているような常習的なものについての対応をどうするかと、そういう点を考慮して、その犯罪情勢によりまして検察官の求刑もおのずと変化するというところがあることを御理解いただきたいと思います。

福島瑞穂君 量刑基準が重く変わったのかどうか、それについて端的に、はいそうですか、いいえ違います、どちらでしょうか。

○政府参考人(古田佑紀君) 先ほど申し上げましたとおり、求刑基準というのがそういう何か拘束力を持ったようなものはないわけでして、事件について求刑をするときの言わば目安みたいなそういうふうなもので、その目安自体は、やはり犯罪情勢、それから反復しているものが多いのかどうか、そういうことによって変動するということはあり得ると。しかし、一般的にそうしているというわけでは必ずしもないということでございます。

求刑基準というのも、個々の求刑は公判廷で明らかになっているので、確定記録を調べればわかるんですが、誰も調べようとしないだけです。