児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童買春周旋罪が成立するためには、被周旋者において、児童であることを認識していることが必要である(東京高裁H15.10.7)

 金沢支部にもありましたよね。
 こういう判例状況なのにどうして静岡家裁実刑被告人は控訴しなかったのか?法定通算でももらえばラッキーというのは、仁義に反するのかも。
 ヘルス嬢が思いがけず児童であったという場合の言い訳に使えるような使えないような判示があります。

東京高裁H15.10.7(原審家裁八王子支部
 児童買春周旋罪が成立するためには、被周旋者において、児童であることを認識していることが必要である
 関係証拠に寄れば、被告人らにおいて、遊客に引き合わせるに当たり 児童であることを伝えた形跡がない、17歳であった児童の外見等からも、18歳未満と認識できるような事情もなかったので、周旋罪は成立しない

東京高等裁判所平成15年5月19日
児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律5条の児童売春周旋罪が成立するためには,被周旋者において,被害児童が18歳未満の者であることを認識していることを要する。

http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20050609/1118295236
名古屋高裁金沢支部h17.3.10
(児童売春周旋罪が成立するためには,被周旋者において,被害児童が18歳未満の者であることを認識していることを要する)
職権判断
法令適用の誤り
原判決2(3)で「(3)児童cを売春婦として雇い入れ  において遊客である に対して上記cを買春の相手方として引き合わせ、同日 においてfをして上記 相手に性交させもって買春の周旋をすることを業とするとともに児童に淫行させた」旨の事実を摘示し、上記に関する罰条として、改正前の児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律5条2項を適用した
しかし、買春の周旋を業とする罪の処罰対象は、「児童買春」の周旋を業とすることであり、同罪は児童買春を助長する行為をより重く処罰しようとの趣旨で規定された者であることに鑑みると、同罪が成立するには、周旋行為がなされた時点で、被周旋者である遊客においても児童買春をするとの認識を有していること、すなわち被害児童が18歳未満の者であることを認識している必要がある。